「オレは成功体験がまだないから自信が無い。」


小学校中学校、不登校。義務教育だから卒業証書はもらえた。


酷いいじめにあっていて、学校から帰ると毎日のようにあたしのベッドにもぐり「死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね!!!!!!」と泣き叫び暴れた。


1年生から4年生までは毎日遅刻、宿題できない、忘れ物はする、先生に怒られる、癇癪を起こす、連絡帳が書けない、ノートはとれない。

それでも4年間1度も休まず、皆勤賞をもらっていた。風邪も引かない丈夫で元気な子だった。


5年生の春、突然の不登校。

担任から『発達障害児だ』と言われた。


発達障害児の烙印を押された!

オレはダメな人間だ!と泣いた。


高校は通信制だけど通えず引きこもり。なんとかギリギリ3年生になり卒業の見込みだけど不安しかない。


せめて卒業して成功体験作りたい。そんな切ない思いを打ち明けてくれた。



でもね、あなたは自分の力で生まれてきて、誰にも教わらずにおっぱい飲んで、ハイハイして二足歩行して、着替えができて、靴も1人で履けるようになって。



ひとつひとつ成功体験を積み上げてきたんだよ。君は立派なんだよ。自信持っていいんだよ。


大丈夫だよ。


みんな成功体験を積んできて

みんな尊い存在。


なのに大人になるとそのハードルが高くなって壁が沢山あって成功体験をする機会がぐんと減るように思う。


ダメな人間だと自分を責めてしまう。

特に発達障害に関しては失敗体験が多いから余計に反芻思考に陥りがちだからね。


今、呼吸をしてること、ご飯を自分で食べられること、自分で歩いて目的地まで行けること、全てが凄いことで成功体験だと思いたい。あたし自身も含めて。






「母ちゃん。教えてくれてありがとう。

そうかオレには成功体験沢山あったんだね。嬉しいよ。」



息子はとても安心しきった嬉しそうな顔をしていた。


キミが大好きだよ。

話してくれてありがとうね。