ハワイ島に歩いてしか行けない、白砂の綺麗なビーチがある。

 

ビーチの名前を書いてしまうと、人が殺到してしまう可能性が出てくるので書きませんが、初めてそのビーチを見たときは「天国みたーい!」と思いました。

 

私はフリーダイバーではないのですが潜るのが大好きです。

 

ある日、このビーチで潜って魚を見てのんびりとしていました。このビーチには時々イルカも現れるのですが、この日イルカはいませんでした。

 

しばらくのんびり遊んでいると、突然ツアーボートが凄いスピードで近くまで走ってきました。ボートは私から3メータほど離れた位置でエンジンを停止しました。私は至近距離に大きなボートが突然現れてびっくりして、怖かったです。

 

おそらくこのボートは、私のフィンが海で出たり入ったりしているのを遠くから見て、イルカがいると勘違いしたのでしょう・・・。

 

船には10人ほどのツアー客と、日本人の女の子と白人の若い男の子のスタッフ、白人のおっさんキャプテンが見えました。すると、若いスタッフの男の子がアンカーを手に取り、海に投げようとしているのが見えました。

 

私はハワイアンローカルの管理するビーチでボランティアをする時に、問題のある人たちに対処するため色々な法律が必要で勉強したので、船のアンカーはサンゴの上に落としたら違法だということを知っていました。

 

アンカーを持っている男の子の真下の海中に目をやるとそこにはサンゴがありました。

 

「おい!ふざけんな!」と心の中で叫んだ私は船の反対側にいたボートキャプテンに目をやりました。キャプテンは私と目が合うとニコニコと嘘くさい笑顔を浮かべ「はーい!ニーハオ!」と日本人の私に向かって話しかけました。

 

むかついた私は、無言でキャプテンをにらみつけ、アンカーを持っている若者に目をやり次に海の中をのぞいて、もう一度キャプテンをにらみつけました。

 

その仕草で私のメッセージを悟ったキャプテンはアンカーを持つ若者に何やら話しかけました。そしてその若者は海に目をやり、サンゴのない白砂の海中にそっとアンカーを下ろしました。私はアンカーを下ろした側(がわ)に泳いで回り込み、アンカーがサンゴにかかっていないか近くで確認し、ビーチに戻りました。

 

一体、私がいなかったらこの船はどこにアンカーを落としていたんだろう・・・そう思うと怖くなります。

 

 

 

今ハワイでは、グリーンフィー(仮名)というものを観光客に払ってもらおうという法案が議論されています。この様子だと来年か再来年には法律として執行されるのかなと思います。

 

内容としては・・・

 

州外から来る観光客に$50払ってもらって、

 

・イルカやカメなど野生動物へのハラスメントの取り締まりの強化

 

・州立公園、国有地、ハイキングコース、ビーチの管理

 

・サンゴが破壊された場所の修復

 

などに使いましょうというもの。

 

ソーシャルメディアの発達によって、今まで人があまり行かなかった場所にも多くの人が押しかけているハワイ。140万人の住人に対して、毎年訪れる観光客は900万人〜1000万人にのぼるそうです。

 

船によって破壊されたサンゴ、観光客の汚したビーチ、後を絶たないイルカやアザラシ、カメなどへのハラスメント行為、人の往来で修復の必要な道路、それに加えて温暖化により侵蝕の激しい海岸線の修復、今までその費用を払っていたのはハワイ州に支払われた高い高い私たちの税金です。

 

このグリーンフィーについて調べた時

 

「ハワイへの足が遠のく」

 

「地元民だってビーチを利用して汚しているのに何で観光客からばかり搾取するんだ!」

 

という意見を目にしました・・・。それをカウアイ島生まれの旦那に話したところ「ふざけんな!どれだけ俺たちが高い税金払ってると思ってるんだ。観光客はただ旅行に来てビーチに行って遊んで帰るだけじゃないか。そのきれいなビーチを維持するためにどれだけ俺たちが払った税金を使っていると思っているんだ。俺たちは観光客が来ることで何の得もしていない!」と憤慨してました。私も同じ意見ですグッ口笛

 

観光業に携わっている人でグリーンフィーに反対している人もいるけど、今のオーバーツーリズムは”観光公害”と考えている人もハワイ住人には多いと思いますバイキンくん

 

 

インドネシアのコモド島では国立公園の入場料が375ルピア(3万3500円)、パラオではグリーンフィーと同様のものが$100だそうです。

 

そして日本の西表島では旅行者を一日1200人に制限するそうです。2400人の島民に対して、コロナ前には観光客が30万人も行ってたんだって。ここまで思い切った制限をかけないとダメなんだね。水不足や交通事故、イリオモテヤマネコが車でひかれるなどが大きな理由だそうです。

 

これに比べたらハワイはまだ安い方だし、人数制限をかけているわけではないんだから、$50ドルくらい気持ちよく払ってよ!と思う。

 

正直・・・

きれいなビーチを保つために$50ぽっち払うことに不満を持つような意識低い人には来てほしくないなあ・・・とも思うよねチュー

 

 

読んでくれてありがとう。

よい週末をお過ごしください。

ALOHA

サーフィン

参考資料