病気や死を受け入れることに決まりはない | 【鹿児島⭐︎動物病院から】飼い主さんとペットの絆を深める心の持ち方接し方を提案 獣医師 浜崎菜央

【鹿児島⭐︎動物病院から】飼い主さんとペットの絆を深める心の持ち方接し方を提案 獣医師 浜崎菜央

鹿児島で動物病院を経営しつつ、飼い主さんがペットに1つでも多くできることを提案できる場として、ペット関連のイベントや講演をしています。
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例えば、大事なあなたのわんちゃんねこちゃんの大きな病気がわかったとき

 

例えば、余命どれだけと言われたとき

 

あなたはどう向き合うでしょうか?

 

 

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私はひとしきり泣きました。

 

ひとしきり泣いて、何かできることはないか考えました。

 

もしも助かるのなら、なんだってしてあげたいと思いました。

 

でも、薬を飲むのも嫌がる姿を見たら、私のエゴなのだろうかと葛藤もしました。

 

 

毎日、あとどれくらい一緒にいられるんだろうか?と考えて涙したりもしました。

 

でも、泣いている姿を見たくないと思っているかもしれないと思い、

 

一緒に笑顔でいられる時間を作ろうと思うようにもなりました。

 

 

ご飯もお水も全く口にしなくても、無理してあげることはせず、

 

ただ流れに任せ、彼の意思を尊重し、最期を静かに迎えました。

 

 

 

 

病気に対してどう向き合うか?

 

訪れる最期をどう受け入れるか?

 

 

 

答えはないと思うのです。

 

 

 

 

その家族ごとに答えは変わってくるもの。

 

どれが正しいかなんて誰にもわからない。

 

そして、誰にもジャッジできない

 

 

 

ただ言えることは、

 

家族みんなが少しでも幸せだったり、笑顔でいられたりする時間が大事ということ。

 

 

 

病気できつくても、

 

寝たきりであまり反応がなくても、

 

ほんの少しだけでもお互いの気持ちが通いあう瞬間があったり、

 

幸せを感じる瞬間があれば、

 

それでいいのだと思うのです。

 

 

 

幸せだと思える瞬間があるかどうか・・・

 

 

 

だから、

 

私は獣医師として診断し、治療方法の一つでも多く提案をし、

 

あとは飼い主さんに選んでもらうようにしています。

 

飼い主さんが1つでも多くの選択肢があった方がいいと思うから、ホリスティックも取り入れるようにしています。


 

私がベストな方法だと思い、その方法を提案したとしても、

 

そのお家にとってベストでなければ、

 

病気としっかり向き合えない、最期を受け入れないと思うから。

 

 

きちんと病状を理解してもらい

 

きちんと行く末を知ってもらい

 

その中で答えを一緒に導き出す。

 

 

その病気と向き合うこと

 

最期を受け入れること

 

それは飼い主さん本人にしかできないこと。

 

 

私がいくら覚悟していても、飼い主さんが覚悟しなければ、

 

死を受け入れられず、

 

ペットロスになってしまうことだってあるのです。

 

 

 

だから、私は飼い主さんが答えを出すお手伝いはしても、

 

私が答えを選ばないようにしています。

 

 

先生がいいと思う方法で・・・と言われても、

 

きちんとお話をして、飼い主さんがこれでいいと思える方法を選んでもらうようにしています。

 

だって、わんちゃんねこちゃんは、飼い主さんに寄り添っているのだから。

 

私に寄り添っているのではないのですから・・・

 

 

 


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いろんな理由から、ご飯もお水も口にしないケースもあります。

 

そんなとき、無理やり口に押し込むことが本当にベストかどうか?考えてもらうようにしています。

 

 

一般的には、ご飯を食べられるようになったほうがいいですよね。

 

ご飯を食べたほうが体力もつくし、免疫力もつく。

 

食べなければ、痩せていくし、弱っていく。

 

 

 

でも、少しだけ冷静になって、考えてほしいのです。

 

 

 

食べたくないと言っている子に、

 

口を無理やり開けて、ご飯を無理やり入れることが

 

本当に幸せかどうか・・・

 

 

 

いやだと言っているのに、無理やり入れられて、

 

いやだと言っているのを押さえつけて、無理やり入れて、

 

お互いその時間を過ごすことが、本当に幸せな時間かどうか考えてほしいのです。

 

 

 

ご飯を無理やり入れて、いやだと首を振り回して、吐き出して・・・

 

 

このやりとりの時間でさえもお互いのためだと思ったり、

 

これは幸せのためだと思うのであれば、

 

それはそれでいいと思うのです。

 

 

ただお互い苦痛な時間なのだと思うのであれば、

 

かわいそうだけど仕方がないから心が咎めるけれどやっているのであれば、

 

もうその時間を作らないほうがいいと思うのです。

 

その時間をなくし、穏やかに過ごす・・・それも一つの看取る方法だと思うのです。

 

 

 

大事なことは、

 

本人と家族がきちんと病気に向き合うこと。

 

本人と家族がきちんと一つの答えを出すこと。

 

 

 

たとえ他の人にとっておかしな方法だと思えても、

 

たとえ他の人にそれはエゴだと言われても、

 

その家族の中でベストだと思う方法なのであれば、

 

それはそれでいいのだと思うのです。

 

 

 

 

どんな命も、いつかは消えてしまいます。

 

命あるものは、終わりがくる。

 

永遠はないのです。

 

そして、残念なことに、わんちゃんねこちゃんは私たち人間よりも年をとるスピードが早い。

 

つまり、たいてい、私たちよりも先に命を落とすことになるのです。

 

 

 

いなくならないでほしい・・・

 

その気持ちは痛いくらいわかります。

 

 

でも、いつかお別れが来てしまう。

 

 

必ず来るお別れを惜しむよりも、

 

そのお別れまでの間、

 

いかに共に幸せに過ごすか・・・

 

それを考えてほしいのです。

 

 

飼い主さんの喜ぶ顔を一番幸せに思うわんちゃんねこちゃんだから、

 

このことが一番大事なことだと私は思うのです。

 

 

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寝たきりの子でも、

 

お散歩が好きだった子は、

 

抱っこして外に出るだけでも喜びます。

 

 

たとえ目が見えなくても、

 

たとえ耳が聞こえなくなっていても、

 

匂いで外を感じることだってあります。

 

 

 

うちの子もそうでした。

 

寝たきりで顔も動かすことすらできなくても、

 

私が抱っこして、外にいくと、

 

鼻をかすかに動かして匂いを嗅ごうとして・・・

 

そのしぐさを見るだけでも、

 

生きてるんだなと感じれたり・・・

 

 

「今日は晴れてるね〜」

 

「今日は雨だよ〜ちょっとジメジメしてるね〜」

 

と話しかけると、

 

目がキョロキョロ動いて反応して・・・

 

そんな会話をする時間でさえも、

 

幸せなひと時でした。

 

 

 

一番彼らのことを理解しているのは飼い主さんなのです。

 

飼い主さんが

 

「こうしたら喜んでくれるはず」

 

と思うことは、

 

間違いなく喜んでくれるはずなのです。

 

 

 

がんセンターで共にガンと闘った方の中に命を落とされた方がいらっしゃいました。

 

その方の携帯から、メールが届いたのです。

 

旦那様からでした。

 

 

今までお友達でいてくれてありがとう。

 

妻は亡くなってしまったけれど、今まで共にガンと向き合い、共に励まし合い、生活してくれてありがとう。

 

 

そんな内容でした。

 

 

旦那様からしたら、

 

友達一人一人に代理でこの気持ちを伝えてあげることが大事だと思ったのでしょう。

 

それをきっと奥様も望んでいるはずだと思ったのでしょう。

 

 

 

きっとこうしたら喜ぶはず・・・

 

きっと彼女ならこうするはず・・・

 

そう思うことは大事だし、

 

その思いはきっと繋がっているものです。

 

人どうしだけでなく、飼い主とペットでも言えることだと思っています。

 

 

 

飼い主さんの思いは、

 

我が子にはしっかり伝わっています。

 

 

飼い主さんが選んだ方法は、

 

どんな方法だったとしても、我が子は受け入れてくれています。

 

 

飼い主さんがベストだと思うことは、

 

我が子もベストだと思うんです。

 

 

大事なことは、

 

飼い主さんがぶれることなく、

 

一つの思い、一つ答えを導き出すこと。

 

 

 

どこまでも飼い主さんについていく、連れ添っていくのが我が子だから。

 

 

 

飼い主さんが幸せだと思うこと

 

飼い主さんがよかったと心から思えること

 

それが何より我が子にとっても幸せなことなのです。

 

 

 

 

病気と向き合うこと、看取ることに、答えはありません。

 

飼い主さんとわんちゃんねこちゃんが導き出した答えがベストなのです。

 

 

最期を迎えたときに、

 

あれでよかったんだろうか・・・

 

と思わないでほしい。

 

 

思わないように、後悔しないように、

 

最期を迎えるその時まで、

 

とことん悩んで答えを出して、一緒に向き合ってほしい。

 

 

答えは、わんちゃんねこちゃんと飼い主さんであるあなたの間に必ずあります。