竹島ごとさくらねこ一斉TRNプロジェクト【続編】共生の会さんとともに | 【鹿児島⭐︎動物病院から】飼い主さんとペットの絆を深める心の持ち方接し方を提案 獣医師 浜崎菜央

【鹿児島⭐︎動物病院から】飼い主さんとペットの絆を深める心の持ち方接し方を提案 獣医師 浜崎菜央

鹿児島で動物病院を経営しつつ、飼い主さんがペットに1つでも多くできることを提案できる場として、ペット関連のイベントや講演をしています。
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こんばんはラッキーアラフォー獣医師浜崎菜央です。

 

 

 

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突然ですが、みなさん、鹿児島の竹島ってご存知ですか?
 
竹島は人口80人ほどの島なのですが、
 
実は、猫の数は人口を上回って100頭以上なんです。

 
同じ鹿児島でも、この現状について知っている人がどれほどいたでしょうか?
 
 
 
 
猫の数が増えすぎたことで、
 
発情期の猫の声や喧嘩の声
 
糞尿などによる衛生面のこと
 
猫が車にひかれるなどの事故
 
などの問題が増え、
 
今年の9月に、『公益財団法人どうぶつ基金』の活動により、
 
竹島の猫の避妊・去勢手術が行われたんです。



『竹島ごとさくらねこ一斉TRNプロジェクト』
 
と言われておりました。
 
 

この活動は、飼い猫も野良猫も一斉に行われました。

 

 
オペした数は100頭にのぼったとのこと。
 
 
オペする施設がないので、体育館に簡易でオペができる設備を作り、
 
ボランティアで獣医師さんが参加し、
 
島の方々がお手伝いをする中、
 
行われたそうです。
 

 

 

 

 

 

 



同じようなことが、徳之島でも行われました。
 
 
徳之島では、天然記念物である『アマミノクロウサギ』が野良猫により、

絶滅の危機に陥っていて、
 
より深刻な問題となっておりました。
 
 
この一斉不妊手術によって、
 
飼い猫も野良猫も、望まれない出産が減り、島の猫の増加を防止する
 
ということが狙い。
 

 
例えば、
 
1回の出産で6頭生まれ、その内オスメスそれぞれ3頭ずつだったとすると、
 
半年もすると、その子たちがまた交配・妊娠・出産をして、
 
それぞれが6頭ずつ子供を産むとすると、
 
半年後には、3倍の18頭が出産されることになるんです。
 
もうこの時点で、最初からいる子たちも合わせると、20頭以上になる計算…


 
 
こうやって、あっという間に100頭という数になっていってしまうんです。
 

 

 
頭数が増えれば、冒頭であげたような問題(猫の鳴き声、糞尿問題など)が増えるし、
 
この猫たちのエサ不足も起こるわけで…
 
最終的に、生態系に影響すら及ぼすことになるんです。
 
 
一部の方は、
 
不妊手術するだなんてかわいそう泣
 
と言われますが、
 
エサ不足になることもかわいそうなことですし、
 
それにより生態系を乱すとなると、猫たちは悪者扱いとなります。
 
おまけに、鳴き声や糞尿問題により、猫への批判が増えると、
 
虐待などの問題も出てくることになり、

 
かえって、猫たちは危険にさらされてしまい、かわいそうな状況になってしまうのです。
 

 
9月に行われたどうぶつ基金による竹島猫の一斉不妊手術・・・
 
このときに、まだ子猫だった子たちは、手術ができなかったため、
 
見送りになったのです。

 
 
でも、その子たちも不妊手術しなければ、
 
これまた増えていく原因になります。
 

 
というわけで・・・
 
 
どうぶつ基金さんから、『犬猫と共生できる社会をめざす会 かごしま』さんへ

 
残りの子猫たちの不妊手術を実行していただきたい

 
との依頼があり、

 
共生の会の会長さんが三島村役場に行き、話し合い・計画を立て、
 
 このたび、行うこととなったのです。


さらに共生の会の会長さんからのご依頼で、

うちの病院も参加させていただくとこととなり、

竹島の猫ちゃんたちのオペをさせていただくことになったのでありますアゲアゲ

 
 
共生の会さんが捕獲器の貸し出しを行い、
 
三島村役場の方が、船により鹿児島まで運び、
 
うちの病院で不妊手術を行い、
 
また次の出港のタイミングにあわせ、役場の方が病院に引き取りに来て、
 
船により三島村へ連れて帰り、放す流れ。
 

 
今回のオペ費用は、どうぶつ基金ではなく、
 
島民の方達から出されるそうで…
 
島民の方達もご年配の方が多いこともあり、共生の会さんから手術代が寄付される形
(本当に共生の会さんたちの活動には頭が下がります)

 
私たちも協力させていただきたいビックリマーク
 
というわけで、オペ費用を一部こちら持ちにさせていただくとにしました。

 
 
水曜日に三島村から運ばれてきた第1陣の猫たち・・・

捕獲器には、寒さ対策で、ダンボールや布製のカバーが掛けられていました。


 
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(手前は布製カバー付き、奥はダンボールカバー付き)


 

捕獲器専用のダンボールあるんだ

 
とビックリビックリマーク

 
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(こんな専用のカバーがあるんだね)



うちにも捕獲器があるのだけど、ダンボールカバーもほしい・・・

とひそかに思ってしまいました笑

竹島の猫ちゃんたちは・・・


とってもなつっこい子で、ネコ好きな私は、もうメロメロ。


さて、捕獲器で捕まった子たちは、

オスメスの判定が麻酔をかけるまでわからない

ということがほとんどなんです。


んで、当日・・・

捕獲器越しにご対面させてもらったところ・・・

 
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ん?

んん??



一見、白黒ネコにみえるけど、

鼻の横に茶色部分あり。


もしかして、『ミケ』なの?


というわけで、この子は『メス確定』でありました笑

 
 
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(なつっこすぎて、捕獲器越しにスリスリのフニフニ攻撃を受けちゃいました笑


 
この子も、ハチワレに見えるけど、

実は『ミケ』でありました笑
 


昨日全員オペも終わり、ちゃんと耳カットもして
(これがいわゆる『さくらねこ』ね指差し

今日はみ~んな絶好調でありましたハート



さて、明日の朝7時に三島村の方がお迎えにいらっしゃって、

船で竹島へ帰っていきます。



とっても賑やかだったので
(みんなかまってかまって~ってなきまくっているので苦笑

明日から寂しくなっちゃう・・・


でも、竹島には待っている猫仲間がいるだろうからなぁ。。。


不妊手術も済んだし、みんなには竹島でのんびりと寿命を全うしてほしいな
ハート