![おんぷ](https://emoji.ameba.jp/img/user/50/5070/5590.gif)
みなさんは、『当たり前のことが当たり前でなくなった』という経験があるでしょうか?
『当たり前』でなくなったとき、『当たり前』のありがたさがしみじみわかるもの。
『当たり前』に感謝して過ごすことを大事にしている
アラフォー獣医師 浜崎菜央です。
(ライアが見つめる姿も私にとっては当たり前のことでした。だから、今も形が違っても見つめてくれていることを感じて感謝してる。)
先日、パートナーとのことで『当たり前のことを当たり前と思わず感謝すること』をお伝えしたのですが、
(まだ読んでない!という方は、
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これはパートナーだけではなく、何に対しても言えること。
ほとんどのことに対して『当たり前』だと思って生きていると思います。
私もその一人でした。
以前私の過去の病気について触れたことがありましたが、
(参考記事は
![これ→](https://emoji.ameba.jp/img/user/so/soukou/12821.gif)
(参考記事は
![これ→](https://emoji.ameba.jp/img/user/so/soukou/12821.gif)
この手術後、リンパ浮腫以外に、実は排尿障害が起こりました。
子宮がある部分には、膀胱や直腸があります。
その部分の手術をするということは、多少その周りの神経を傷つけるわけで、
その結果、排尿障害が起こることがあるのです。
手術後しばらくは、尿カテーテルをつけていて、カテーテルを介して自動的に尿が出ていくのですが、
1週間もすると、尿カテーテルを取り、自力ですることとなります。
ただちゃんとこの行動ができるか、病院側は把握しなければならないので、
1時間ごとに取る水分量や
必ず4時間おきにトイレに行くこと
トイレで出たおしっこの量を測ること
排尿後尿カテーテルを毎回入れ、残尿がないかチェックすること
が決められていました。
手術の際の神経への影響は人それぞれで、
「おしっこに行きたい」という感覚がない人や
おしっこが空っぽになったという感覚がない人や
自力でおしっこできない(ふんばっても出ない)人などいろいろ。
もちろん、手術前と全く変わらない人だっています。
私は・・・というと
「おしっこに行きたい!」という気持ちはあるし、
踏ん張っている!という自覚もあるし、
おしっこは出し尽くした!という感覚もあるのですが、
(まぁ実際は間違った感覚なのですが💦)
トイレに行ったのちに、看護婦さんに尿カテーテル入れてもらい残尿チェックすると、
なんと自力で排尿した量以上に、膀胱に残っていたのであります。
つまり・・・
残尿を把握することができない
おしっこを最後まで出し切ることができない
状態になってしまったのです。
これって実は危険なことで、
古いおしっこがずっと残っていると、雑菌が繁殖して、膀胱炎になるきっかけになるし、
膀胱炎だけでなく、腎炎を起こすことにもつながるんです。
だから、ちゃんと残尿がほとんどなくなるまでは、尿カテーテルで取るという作業がついてまわるのです。
サラッと『尿カテーテルを入れる』と書いていますが、
尿カテーテルを入れるのって、結構痛いんです
![><](https://emoji.ameba.jp/img/user/01/01-yokochan-31/913375.gif)
夜中も関係なく、4時間おきに定期的に起こされ、
トイレに行き、10分以上踏ん張り、
「もう完全に出し切った!」と思い、処置室に向かい、
尿カテーテルを入れチェックしてもらい、残尿が100ml以上っていう毎日。
(あんまり寝起きがよろしくない私は、看護婦さんに呆れられ、夜中起こすのを止められましたが・・・💦)
1日がおしっこの量で追われ、
精神的に参ってしまったことも・・・
同じ手術をした人たちが次々とクリアしていき退院していく中で、
私だけ、残尿が多すぎるという理由で退院できない。
いつもは当たり前にトイレにいってしていたことなのに、なんで?
とすごくすごく苦しくなったこともありました。
負けず嫌いな私は、『他の人においていかれる』ことが辛かったんです。
周りから見たらすごく元気に見えても、
排尿障害があることで退院できないことも辛かった・・・
![泣](https://emoji.ameba.jp/img/user/na/namida-egao/41147.gif)
早く帰って、愛犬に会いたかったし、
早く帰って、仕事をしたかったからね・・・
帰れないということが苦痛でした
![泣](https://emoji.ameba.jp/img/user/na/namida-egao/41147.gif)
一生トイレの後、尿カテーテルが必要になるのか?
と思ったこともありました。
でも、実際、私よりも症状が重い人もいて、
「おしっこがしたい」という感覚すらない人もいるわけで、
定期的に自分で尿カテーテルを入れて排尿している人もいて、
それに比べたら大したことない
![!!](https://emoji.ameba.jp/img/user/a-/a-lost-sheep/1868237.gif)
『当たり前』が『当たり前じゃなくなる』ということが
こんなにもつらいことだと思わなかった
『当たり前』にできる体をもっと感謝しなければならない
そう感じたんです。
早く退院したいという気持ち
当たり前にできるようになりたいという気持ち
から、私はせっせと運動するようになりました。
朝も夜も、1階から10階まで階段の昇り降りを何度もしたり、
(階段の昇り降りで鍛えられる筋肉が排尿に関係してるんですの
![指差し](https://emoji.ameba.jp/img/user/ta/takanasisuzume/1433590.gif)
自分が入院しているフロアをせっせと何周も歩いたり、
骨盤底筋を鍛えるベットでもできる運動をしたり、
とにかく必要だと思う運動を全部しました。
結局目標の残尿に至らないうちに、
頑張っている私の姿を見て、
「試しに帰ってみようか。もしかしたら生活しているうちに良くなるかも」
とおっしゃってくださって、
めでたく退院することができたのです。
ここでも、リハビリの重要性を身をもって実感したわけであります。
だから・・・
私がペットに対してオペだけでなく、
『マッサージ』、『リハビリ』や『筋肉トレーニング』を推奨しているのであります。
だからか
![ビックリマーク](https://emoji.ameba.jp/img/user/ap/aporitan/242585.gif)
![](https://stat100.ameba.jp/blog/ucs/img/char/char2/177.gif)
さて・・・
『当たり前のことが当たり前でなくなった』ことに対してどう思うか?
というお話に戻ります。
不安
焦り
葛藤
プライドが傷つく
ストレス
いろんなマイナスな単語があがってくると思います。
私もそうでした。
これは、私たち人間だけでなく、わんちゃんねこちゃんたちにも当てはまること。
あんなに耳がいいわんちゃんたちが「耳が聞こえなくなる」ということ、
きっと大きな喪失感があると思います。
他にカバーできることがあったとしても、
やはり『当たり前』が『当たり前でなくなった』ことへの心の変化を
飼い主さんが理解してあげているかどうかということは
大きな違いだと思っています。
私もそうでした。
私の気持ちを理解してくれる人がいる
ということが大きなチカラとなり、大きな支えでもありました。
シニア期の子は、「耳が聞こえなくなる」以外にも、
たくさんの『当たり前のことが当たり前でなくなる』ことがあります。
歩けなくなることもそうです。
歩けていても、走れなくなることもそう。
目が見えなくなることだって・・・
ちょっとしたことかもしれないけど、
当たり前のことができなくなることは、とても歯がゆいことで
負けず嫌いや頑張り屋さんにとっては、なかなか受け入れにくいことでもあるんです。
飼い主さんが理解してあげて、支えてあげること
それが何よりも嬉しく心強いチカラ。
私みたいに運動をして復活できることもあるだろうし、
私みたいに思考の変換を行って、楽しい事に目を向けることだってできるだろうし、
不自由になったら、なったなりの楽しみ方を
飼い主さんが教えてあげたらいいのです。
私はそのお手伝いができるように、『マッサージ』に『筋肉トレーニング』・・・
これからもがんばりたいと思っています。