亡くなっておしまいではない。亡くなってからも感謝されていることを胸に。 | 【鹿児島⭐︎動物病院から】飼い主さんとペットの絆を深める心の持ち方接し方を提案 獣医師 浜崎菜央

【鹿児島⭐︎動物病院から】飼い主さんとペットの絆を深める心の持ち方接し方を提案 獣医師 浜崎菜央

鹿児島で動物病院を経営しつつ、飼い主さんがペットに1つでも多くできることを提案できる場として、ペット関連のイベントや講演をしています。
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こんばんは

最近偶然が重なり、ある飼い主さんと引き寄せられました。
(正確に言うと、複数の・・・なのですが)

こんなことってあるんだ・・・

と不思議な感覚を味わっていますアラフォー獣医師 浜崎菜央です。


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先週たまたま、祖父母のお墓参りに行き、

開聞岳周辺から指宿にまわって、温泉を堪能して帰ってきました。


なんと指宿で立ち寄った温泉で、

うちの病院に通っていらっしゃった飼い主さんに偶然にもお会いしました。



勘が鋭い人は気づいたかしら


『通っていらっしゃった』と過去形になっているのに。


そのわんちゃんは亡くなってしまったので、

今はうちの病院にいらっしゃることはないのです。



ちょうど亡くなって1年くらいでした。



声をかけようか迷ったのですが、

ここでこのように出会ったこと、

ちょうど1年というタイミングで出会ったこと、

きっと意味があるのだと思い、話しかけることにしました。



「◯◯さんですよね」

というと、向こうはピンと来ていない様子。



なぜなら、私が私服だから・・・



病院でのイメージが強く、制服=私になっているので、

たいていの方が、私服の私を見ても、ピンと来ないのです。



戸惑っている飼い主さんに、

「ルオーナペットクリニックの・・・」

と名乗ろうとすると、


「あ!先生だ!」

と涙ぐまれました。


「もうすぐ1年ですよね」

と話をすると、

「覚えてくれていたのですね」

と言ってくださいました。




覚えていますともハート


私の頭の中には、

飼い主さん、わんちゃんのことも、

エピソードも、

だいたいインプットされています。
(これは私の特技の一つだと思っているハート




それから数日後・・・

飼い主さんが再び病院にいらしてくださいました。


今度はご家族と一緒に。



ちょうど1年忌のその日、

家族がたまたまおやすみだったので・・・

わざわざ病院までいらっしゃってくださいました。



みんなでお話したのですが、

亡くなった子が1年経って、

もう大丈夫だと思い、私たちを引き寄せてくれたのだハート

と一緒に感謝しました。



いろんな思い出話をしたのですが、

一番可愛がっていらっしゃったお姉さんは、

「先生に話したいことがたくさんあるのだけど、泣いちゃいそうだから・・・」

と控えめにお話されました。


帰られてから、頂き物をした袋を開けると、

私宛に手紙が入っていました。


その中に、

最後看取ってもらったのが先生でよかった

と書かれていました。




いつか亡くなるときがくるのだけれど、

その時をその家族の一人として同じように過ごし、

その時をちゃんと支えてあげること。

それが私たちの使命でもある。

と思って接しているので、

この言葉は、私にとって一番の褒め言葉でもあるのです。



1年忌に病院にいらっしゃってくださったのは、この方だけではありません。


つい最近も、同じように1年忌に足を運んでくださった方がいらっしゃいました。



その方にもたくさん感謝のお言葉をいただきました。

たくさん良くしてもらった。

先生にもスタッフさんにも優しく接してもらった。

励まされた。


と・・・


そして、

先生が新聞やテレビに出ているのを見て、嬉しく思い、陰ながら応援している。

と・・・




なかなか亡くなった後に、

病院に足を運ぶということはできないと思います。



それなのに、

わざわざ足を運んでくださり、

お手紙を持ってきてくださり、

私とお話できてよかったといってくだり、

本当にありがたいことだと思います。



できることなら、一生一緒にいたい。

離れたくない。

そんな気持ちもわかる。


楽な状態で看取りたい。

そんな気持ちもわかる。



いろんな葛藤を飼い主さんと一緒に分かち合って、

飼い主さんと一緒に悲しいことも嬉しいことも分かち合って、

死と向き合う。


辛いことだけど、

飼い主さんがちゃんと乗り越えていけるように支える。


それも私たち獣医師の使命だと思っています。



私にとって、

どの家族にも、いろんな思い出があります。

救えなかった命もあります。

歯がゆい思いをしたこともあります。



それでも、

時が流れても、

私のことを覚えてくださっている飼い主さんに感謝しています。

そして、今も応援してくださっていることをありがたく思います。



離れていても、

会うことがなくても、

私のことを忘れることなく、応援してくださっていることを心にとめ、

改めて、

私はたくさんの人にサポートしてもらっている。

幸せものだ。


としみじみ感じました。



これからもたくさんの笑顔に会えるように、

最期まで笑顔で過ごせるように、

私は頑張っていきたいなと思っています。