マンモグラフィーと乳房超音波検査を受けて、生体検査が必要と言われ、更に婦人科医から夜に電話があり、「癌の可能性がある」とダブルパンチを受けた翌日。

 

仕事をしているとデスクの電話が鳴りました。

相手は、ブレストセンターのコーディネーター。

「Carrie? 早速だけどキャンセルが出たの!!ちょっとだけしか早まらないけど、12月27日(金)はどう??」と。

私は速攻「もちろん!!それでお願いします!ありがとう!!!」と答えました。

1営業日しか早まらないけれど、少なくとも週末前に受けることが出来たのはラッキー。

 

この日は、予約していた婦人科医の診察の日。

仕事を早退して婦人科医の診察を受けに行きました。

婦人科医のオフィスは、職場の病院から車で5分ほど離れているクリニック(医師は勤務先の病院系列の医師です)。

昨日のショッキングな電話の後、乳がんになったら・・・を想定した質問を多数ノートに書いて持参しました。

 

医師(Dr.T)が診察室に現れると、私は「今回は先に検査を受けさせてもらって本当にありがとうございます。」とお礼を言い、更に生体検査が27日に早まったことを話すと、「ちょっとでも早まって良かった!!」と喜んでくれました。

 

Dr.Tは40代前半くらいの女医さん。この先生にかかるようになってもう3年になります。

ちなみにアメリカでは、全員ではありませんが、特に婦人系の持病が無くても年に1回の婦人系の病気(乳腺や子宮・卵巣等)がないか、かかりつけの婦人科医を持ち検診を受けるのが一般的です。

Dr.Tは赤毛に青い大きな瞳。大きな口(!)でゆっくり分かりやすく説明してくれて、患者の話しもじっくり聞いてくれる先生です。

私だけでなく同僚たちもこの先生のかかりつけ患者になっていて、皆彼女が大好きです。

 

彼女は「まずは、しこりを診せてね。」と、触診を始めました。

念のため両方の乳房を触診します。彼女は「高度なデンスブレストね。左胸は何も見当たらないわよ。右胸のしこりは・・・。」と、触診しました。すると。。。

「あら・・・?」と第一声。

続けて、「このしこり、くるくると良く動くわね。なめらかだし、思っていたより良い兆候だわ。」と言いました。

「思っていたより良い?」と聞き返すと、彼女は

「私はこれまで沢山の乳がん患者さんのしこりを触診してきたの。どれもあなたのしこりとは全く別物。がっちり動かなくて形もデコボコしていて・・・」と鼻の上に皺を寄せながら説明してくれました。

 

「昨日のブレストセンターからのレポートを見たら乳がんの可能性が高かったけど、これはおそらく良性じゃないかと思う。あ、もちろん保証はできないわよ。生体検査が全てだから。でも期待持てそう。」と明るい笑顔で言いました。

 

気持ちがすーーーっと楽になったのを覚えています。

周囲の色がグレーからカラーに戻った気分。

 

彼女は、「良性でも悪性でも、この腫瘤は乳腺外科医にちゃんと診てもらう必要があるので、紹介状を出すわね。私も彼女の患者なんだけど、Dr.Kという乳腺外科医よ。彼女は知識も経験も豊富でとても良い先生だから。」と言い、紹介状を書いてくれました。

乳腺外科医のDr.Kは勤務先の病院にオフィスを持っている医師で、日本人患者さんも何人か診ているので私も名前は知っていました。

 

癌だった場合・・・の質問が沢山あることを言うと、「答えられる部分は答えるから言ってみて」と言うので、

1.まずは手術で切除する必要はあるか?(たとえ良性だったとしても切除する必要あるか?の質問に変えた) 答えYES

2.生体検査を受けるまで、普段の生活を続けて良いか?特に食生活(飲酒含む) 答えYES

3.癌だった場合を想定して色々調べたら、転移するとまずリンパに癌細胞が行くとのこと。最近鎖骨の上が腫れているような気がしてすごく不安 →これについてはDr.Tが鎖骨周りを触診してくれました。答え「腫れてない。全く問題ない」  (ほっ)

 

あといくつか(くだらない?!?)質問をしたかと思いますが、思い出せない。

Dr.Tは、「今は癌と確定されていないし、これ以降の質問は癌と診断されてからね。もし良性だったら、そのノートは破いてバイバイしましょうね♪」と言いました。

 

たまたま、翌月1月13日に年1回の婦人科検診がこのDr.Tの予約で入っているので、お互い「次回会ったときは心配したけど大丈夫で良かったね!と言い合いたいね。」と言いました。

Dr.Tは別れ際に「27日の幸運を祈るわ!!」と言って部屋を出て行きました。

 

帰り道。カーラジオから流れるクリスマスソングが、とても明るく暖かく心に響いたのを覚えています。

 

この日のメンタル天気: 雨のち晴れ