「これが生活なのかしらん」小原晩



これが生活なのかしらん

こんな言葉でいきなり始まる初めの詩

リズムと不思議さと面白さに

読みはじめると吸い込まれた

普段は詩は苦手なわたしなのに


飾り気のない言葉

難しくない言葉

出てきたまんまの

ぽろんと丸い言葉に包まれてわたしは運ばれた

小原晩の世界に


「生活」ってあまり意識しないけど

よく知ったあの人にも

道ですれ違った知らないあの人にも

家に帰ればその人だけの生活がある


たまーに思うそんなことを思い出させてもらった


あっという間に最後まで読んで

終わってほしくなかったな

と寂しくなった


娘Bの書く文章に少し似ているから

読みやすいのかな

と思ったら

娘と著者は同じ歳だった

なるほど






その間、心のなかは無である。からっぽ、というのとは違くて、心には無が満ちていて、それ以外はもう入る隙間がないという感じである。誰の顔も浮かばない。無からは感謝も懺悔も生まれない。無とは命である、ということを急に思うのだけれど、それがどういう意味なんだかすぐにわからなくなる。気がつけば、夜になっていて、私は生きたくなっている。