「どう生きるかつらかったときの話をしよう」

宇宙飛行士 野口聡一


苦しかったんだ


宇宙飛行士の野口聡一さんでも

苦しかった時があるんだ

しかも10年間も!


そんなことから読みはじめたこの本は

いわゆる「燃え尽き症候群」といわれる

目標を達成した後に

どうやって自分の人生を作り直すか

経験したからこそ言える

野口聡一さんの内側から溢れる

力強い言葉の塊だった


夫にも勧めたら

「誰が燃え尽き症候群やねん!」というから

「おぉ、ごめんごめん」と言いながら吹いた

そんなつもりじゃないのよーん


マズローの"自己実現"という言葉に

ずっと違和感があったのも

あ、そういうことね、と腑に落ちた


自分の既成概念の角度を変えてくれる

読書の面白さ



ありがとう

ありがとう





宇宙よりも遠い,

自分の心の中の旅を通してわかったこと


それ(仕事)が全て

になりがちだけど

人生の中にそれ(仕事)がある




当時、強制的に自分の思考をポジティブな方向に持って行っていたせいでもありますが、「自分は今、全人類の期待を背負って頑張っている」「世間の人たちが抱いている「宇宙飛行士はこういう人だ」というイメージに応えなければ」と思い、無意識のうちにそのようなふるまいをしていた部分もありました。

それは、気負っている状態であるともいえますが、ラクな状態でもありました。

期待に応えていれば、達成感が味わえ、尊敬され、称賛を得られるからです。


位や評価、居場所、収入などのためではなく、自分のアイデンティティの核となるもの、自分が本当にやりたいことがカーリングだった。

他者から与えられたものを失い、自分の棚卸しを余儀なくされて初めて、吉田選手はそのことに気づいたのです。

棚卸しをした後に残るもの。

それは「自分自身の、本当の想い」だといえるかもしれません。


人生に意味づけをする際に必要なのが、「社会的価値」という目線です。

社会的価値とは、「社会や組織に評価されるか」「他者に称賛されるか」といった、「他者から与えられる価値」のことではありません。

「自分がやってきたこと、やっていることが、自分たちゃ次の世代の人たちの未来にとってプラスになるか」「社会問題を解決する方向につながっているか」を自分自身で考え、判断することです。

社会的価値があるかどうかを判断する。



人生に意味づけをすること。

それは、「内省すること」だと言ってもいいかもしれません。


さて、欠乏欲求がすべて満たされた状態、つまり食欲など生理的な欲求が満たされ、安心や他者とのつながりが感じられ、十分に他者や自分からの承認を得られている状態でも、「自分に適していること」をしていない限り、人は真の満足感、幸福感を得ることができず、新しい不満が生じてくるとマズローは言っています。

なぜなら、人は誰でも「自分が潜在的に持っているものを実現したい」「自分の可能性を最大限に発揮したい」という欲求を抱いているからです。

そして、それこそが、第5段階の自己実現欲求です。


「自己実現」という言葉に対し、「目標を達成し、なりたい自分になること」「自分のやりたいことをやること」だと思っている人は多いでしょう。

あるいは、「仕事を通して自己実現をしたい」といった表現をよく見聞きするため、「自分の夢を叶えるために成長すること」だと思っている人もいるかもしれませんが、それらは正確ではありません。

マズローの言う自己実現は、「偽りのない、ありのままの自分としての可能性を最大限に発揮すること」です。

たとえば、音楽家が音楽を創り、美術家が絵を描き、詩人が詩を書くこと、