有楽町の"ロマンスの夜"に行ってきた 

丸の内のイルミネーションを
ふわふわした気持ちで眺めてから
東京国際フォーラムに向かった



息つく間もない2時間半


常に全力で
一生懸命で
手加減なく
あらん限りの自分を出し切る
その姿は力強く妖艶で
神秘的

2階席までも
真っ直ぐに届く
息を呑んで浴びる情熱とエネルギーに
ヒリヒリする

「全身全霊」って
まさにこの人のためにある言葉だと
思うくらいの全力少年っぷり

少年っぽいけど色気もあり
狂気、優しさ、哀愁、、
くるくると表情も仕草も変わる
瞬きするのが惜しいくらい
一瞬たりとも見逃せない

なので自然と手拍子や踊るのは控えめになり
ついつい食い入るように凝視してしまう

コンサートだけど
聴くだけではなく観に行く
ほとばしるエネルギーを浴びにいく
他の人のコンサートに行く時とは違う心持ち

「イェーイ!ノリノリで行くぞー!ルンルン」
ではなく
「粛々と厳かに受け止めます、どーんとこい」
みたいな違い

ゴロンゴロン床をローリングしたり、
こちらに背を向けて舞台の袖近くの
壁の組み木の隙間に入りたそうだったり、
え?いつのまに?靴を脱いで裸足(靴下有り)、
目をひん剥いてグワっと見開いたり、
(隣の席の方は、きゃーっと両手で目を覆い指の隙間から見ていた、、ホラー映画を見るように。それくらい刺激が強い)
恐ろしいほどの低音叫び声を上げたり、
ゲタッゲタッゲタップでは
どすこいのガニ股開きで三段跳びしたり、
お尻ぺんぺん
高速投げキッスしまくり
また覗き
前屈姿勢
もーホントにとにかくよく動く
全曲この調子で最後まで持つの?と思いながら
見守るのだけど
いつも見事に完走する
動きながらも歌はブレない

ずっとずっと見ていたい

曲ごとに憑依するその姿は
中毒性のある高揚感をもたらす

どんな気持ちであの動き?!と思うけど
考えて動いてるのではなく
自然とそうなるんだろうな
考えてたら動けない

「歌が好き!」という思いを
思いっきりぶつけてくる
観衆はぶつけられに行ってる 
バンドマンでなく歌手の宮本浩次に出会える

個人的に
宮本浩次ソロの高音ボイスが多めより
エレファントカシマシの低音ボイスと
無骨な男臭さが好みなところがあり
カバー曲中心の「ロマンスの夜」は
行くかどうか考えていた
昨年も予定していたのだけれど
宮本さんの体調不良のキャンセルで
行けなくなった事もあり
今年はもういいかなぁ、、と思いつつ
申し込むだけ申し込んでみよう!と思ったら、
そんな時の方が当たる

そして、やっぱり来てよかったー!と
心底思い
さらにあの人にも見せたかったーと
連れの顔が浮かぶ

SpotifyやYouTubeで聞いても
そんなに体温は上がらないのに
生の声と動きを目の当たりにすると
途端に体温が上昇する
視覚的にエネルギーを伝えられる稀有な人

スポットライトで一人始まる
「ジョニィへの伝言」
母が大好きだった曲に鳥肌

一音,一音を大切に握りしめるような
「First Love」
こんないい曲だったっけ

絞り出すような女性の情念
「化粧」
切なくてくるしくなる

エレファントカシマシの曲が
2曲あった
ハッとしてホッとして 
緩急があって嬉しくなる

「悲しみの果て」の中での掛け声
"さぁ頑張れ!
その調子だ!出かけようぜー!
胸を張ってさーー!
夢を持って生きていこうぜーー!
出かけようぜ!一緒によーーーー!"

自分とみんなに向けてのエール
言葉にできないようなくさいセリフも
歌に乗るとストンと届く
歌の力ってホントに真っ直ぐ届く

こんなエネルギーマックスな人に
応援されてるんだ私、心震えた

メンバー紹介するときの
それぞれの人へのリスペクトも丁寧で
ホントに隅々まで感謝してるのがわかる

「冬の花」も
こんなにいい曲だった?!
昭和歌謡曲ど真ん中
紅白はこれで出て欲しいなー!

考え抜かれた構成の素晴らしさにも
ホントに感心した

ラストの「サムライ」
ジュリーと結婚したかった小学生の頃を
思い出してニヤけた

宮本浩次の最後の笑顔
忘れられない最高の笑顔だった

満月見ながら帰った

ありがたう

ありがたう




ロマンスの夜 宮本浩次 
2023.11.27 有楽町 東京国際フォーラムA

<第1部>

1. ジョニィへの伝言 / 高橋真梨子
2. 赤いスイートピー / 松田聖子
3. まちぶせ / 石川ひとみ
4. きみに会いたい-Dance with you- / 高橋一生
5. 白いパラソル / 松田聖子
6. SEPTEMBER / 竹内まりや
7. 愛の戯れ / 平山三紀
8. ロンリーウルフ / 沢田研二
9. First Love / 宇多田ヒカル

<第2部>

10. やさしさ / エレファントカシマシ
11. 飾りじゃないのよ 涙は / 中森明菜
12. 異邦人 / 久保田早紀
13. ロマンス / 岩崎宏美
14. DESIRE -情熱- / 中森明菜
15. 化粧 / 中島みゆき
16. 翳りゆく部屋 / 松任谷由実
17. 悲しみの果て / エレファントカシマシ


〈アンコール1〉

18. あなた / 小坂明子

19. あなたのやさしさをオレは何に例えよう / エレファントカシマシ

20. 恋人がサンタクロース / 松任谷由実

21. Woman "Wの悲劇"より / 薬師丸ひろ子

22. 木綿のハンカチーフ / 太田裕美

23. 冬の花

〈アンコール2〉

24. サムライ / 沢田研二