「腹を空かせた勇者ども」

金原ひとみ


すごくよかった

勝手に陰気な雰囲気を想像してたけど

全くそんなことなかった


育ち盛りの中学生の娘と母

理解したいけどできない気持ちの持って行きどころにもがく姿がとてもリアルで共感できる

母の一貫した大人しかわからない(大人でも分からないかもしれない)スタンスがとても良い

惚れ惚れした 


父と母の関係と存在

登場人物全てのキャラがキリッと立っていて

とても読みやすく引き込まれる


この既視感

思い出したわーー娘Aの中学生の頃

帰国子女に囲まれた環境

どうしようもない食欲とイライラ

誰にも言いたくないけど聞いてほしい感じ

大人と子供の狭間をもがいていたあの頃

髪の毛染めたり、

あちこちにピアスを開けたり、

呪われた花嫁になったり(←ギリギリハロウィン)

ガチャピンになったり(←ハロウィンではない)

こんな気持ちを抱えていたんだなぁ


はちゃめちゃだったあの頃さえ愛しい


人の気持ちを理解するって

一生できないかもしれないけど

想像力を持つってとても大切


自分の14歳の頃は、、、

もう遠すぎて思い出せない







つまり、世界は理解し合えない人、話し合っても無駄な人で満ちているっていうこと。そういう人たちの隣人として生きていくことの難しさに、私はこの年になっても定期的に直面して苦しんでいる。

分からないなら想像しな。自分が共感できない人ほど,思いやりな。


こんなに自分には到底理解できないものに満ちている世界を,どうやって生きていったらいいのかわからない。分からないで切り捨てられないけど、分かりたいでわかるはずもない

怒りの中にいる方が楽なんだよ。


ユリの不倫には論理的に同意している。つまらないものに縛られて生きていくよりも、感情とか身体的欲求に突き動かされて今あるものをめちゃくちゃに掻き壊していくユリの生き方に共感しているとも言える。世間的なものに迎合しない彼女と暮らしてると、現実を生きてるって実感できる。