「夫のちんぽが入らない」
こだま



なんちゅう題名や

そう思ったでしょ

わたしも


ドラマ化されてるのも
目の隅でみてた

でも家族とは見にくいなーとスルーした

なんとなく
手にするのを躊躇う(ためらう)題名

でもインパクト大!だから記憶に残っていた

特に探している本があるわけでなく
図書館の文庫本のコーナーをふらふらしていると
この背表紙と、目があった

選んで!といっているよう

こんな時、図書館の貸し出し手続きが
セルフになっていてありがたかった

連れ帰ることにした


読んだ

1ページ目で思ってたのと
何だか違う雰囲気だと分かった



「そんなことを相談するくらいなら、押し黙ったまま老いていきたい。子供もいらない。ちんぽが入らない私たちは、兄妹のように、あるいは植物のように、ひっそりと生きていくことを選んだ。」



どうなるの?どうなるの?
最後まで一気に読んだ
思っていたのと全然違った
いい意味で裏切られた


学生時代に出会い
結婚してお互い教師になる一組の夫婦

壊れてゆく様が
苦しくてドキドキした

何度も死のガードレールを超えそうになるところ
ギリギリでしんどかった

でも独特のユーモアで
読み進められてしまう
ニヤッとさせる「心の声」が和ませてくれる

母親とのしんどい関係

インターネットで出会った人と
次々ホテルに行く姿
変わった癖の人々

自分の気持ちや見る角度が変わると
状況も変わって見えること

分かってるのか分かってないのか
この夫さんの存在に
助けられたり
肩透かされたり
優しさに包まれたり

子供を作らない選択をした夫婦

外からは見えない人の気持ち

免疫不全の病気
パニック障害

入る入らないではなくなってくる








「うちの娘は気が利かないし、はっきりもを言わない。思ってることを全然言わんのです。全く情けない限りですよ」
「そうですか?僕はこんな心の純粋な人、見たことがないですよ」
 あのときも夫は迷いなく、まっすぐ言ったのだった。


「どうして子供いないの?」
「早いほうがいいよ」
「もし悩んでるんだったら病院紹介するよ。絶対産んだ方がいいよ」
「後悔するよ」
 すべて親切心からくる言葉だった。

 私たちは、ほかの人から見れば「ふつう」ではないのかもしれない。けれど、まわりから詮索されればされるほど、胸に湧き上がってくるものがある。私たちはふたりで生きていくのだ、そう決めてやってきたのだ、と。

 私にも「どうかしちゃってた」時期がある。神経を擦り減らし、ギリギリの生活を送っていると、心が壊れてどうかしてしまうものなのだ。そんなことも大人になってわかるようになった。



 私の声、届くだろうか。







届きました



ありがとう
ありがとう