昨日、何度か一緒に被災地へ行った某テレビ局ディレクターと話していた。
彼とは震災直後から頻繁に連絡を取り合って、いろいろ活動してきた。
彼がため息をつきながら言った。
「ボランティアの数がいきなり減りましたね。特に年末の首相の原発事故収束宣言を境に
一気に減りましたよ。まだまだ復興じゃなくて復旧なんですけどね。」
震災直後は、誰もが自分にできることを、という意識があったと思う。
でも、スポンサーも視聴率を最重要視するようにと元に戻ってしまったという。
彼曰く、「震災直後のあの“自粛ムード”が本来あるべき姿だと思うんですよね。」
そういえば、震災直後の銀座の夜は不気味なほど暗かったが、慣れてしまうと
それが自然な光景であって、それまでのほうが異常だったことに気づく。
ボクが行ったことがある海外はそれほど多くはないが、先進国であんなにネオンが
まぶしい国は他にはなかった。ほとんどの先進国では街の景観法などで屋外広告を規制している。
特に、ヨーロッパでは屋外広告の収益は街の美化に使われているくらいだ。
確かに行き過ぎた自粛は問題だ。たとえば視力障害者にとっては明かりは死活問題だし、
治安面を考えてもある程度の明かりは必要なのだと思う。
それから年末年始のLEDイルミネーションは多くの人の心を癒したのかもしれない。
難しい問題ではある。ただ、それにしても年末あたりを境にしてまたおかしな方向へ向かっている気がする。
地道にボランティアを継続しておられる方々はたくさんいるし、被災地では復興に向けて
頑張っておられる方がたくさんいることは知っているが、国民の意識はまた元に戻りつつある。
テレビでは、下らないテレビプログラムに訳のわからないCMが垂れ流されるようになった。
“日本を元気にする”という大義名分でそんな方向に向かっているとしたら大きな間違いだ。
なにしろ去年の27時間テレビでは、被災地からの中継場所の設営に地元ボランティア要員を
使ったテレビ局もあるくらいだ。そんな支援の仕方って異常だと思う。
同じ被災地でも差別は生まれているし、我慢の極限におられる方々もいる。
まだまだ問題は山積なのに、幸いにして被害のない多数派は、もう元に戻ろうとしている。
だから、ボクは年が明けても新たな気持ちで、という考えを捨ててきた。
去年の問題がまだまだこの国に残っているのだから。
テレビ局のディレクターである彼に言った。
もっとリアルタイムな情報発信(たとえばどこの自治体にボランティアが足りない、とか
宿泊場所やボランティアのベースキャンプとしている場所の情報など)をできないのか、と。
彼曰く、スポンサーがそれを望んでいない以上、それらの情報提供はネット頼みだと。
つまり、ボランティア関連の情報はもう視聴率が取れない、ということだ。
マスコミの人間、特に媒体社(テレビ局、ラジオ局など)の人間にとって、テレビやラジオは
あくまでも広告収入を見込むための媒体であって、ドラマなど番組はそのためのコンテンツでしかない。
つまり、視聴率こそがすべてであり、CMを多くの人にリーチできればいいのだ。
もともと民放はそんな役割のもとにできた媒体なのだ。
ドラマで誰かを感動させられた、とかは二の次で、とにかく広告収入なのだ。
(もっとも、ネットも広告収入で成り立っているのではあるが・・・このブログも含めて)
彼はテレビ局の一社員として、ごくごく“普通”だったのだが、震災以降意識が変わったと言った。
年明け早々、また新しい企画を彼と一緒に考えている。
被災地にもボランティアとしてまた一緒に行こうとも話した。
去年のクリスマスのイベントは“成功した”、と言えるレベルではなかった。
被災地に生まれた“福島県”というタブーに勝てなかった。
そしてこのタブーは相当にやっかいだ。先述した“被災地に生まれた差別”とは特にこのことだ。
どこまでのことができるかわからないが、去年と変わらず自分に出来ることをやっていこうと思う。
そういえば先日、電車の中刷り広告についてTwitterでつぶやいた。
まず、夕張市の観光誘致ポスターが素晴らしく、鈴木市長の言葉のボディコピーを見て
夕張に行きたいと思った。そんなことを書いたらすぐに鈴木市長からリツイートがあった。
2月の下旬に夕張映画祭が行われるらしいので、行ってみたいと思っている。
そんな夕張市の中刷りの向かいにJA福島のポスターがあった。
あまりにひどい内容だった。それこそ無駄遣いもいいとこ。
生活者(つまりそのポスターを見た人)に対して何が言いたいのかわからなかった。
そんな金があるなら(都営地下鉄の中刷りは、路線や期間にもよるが掲載料は数百万では済まないはず)、
もっとJAがやるべきことは他にある。
いま、福島の悪口はタブーなのだろうけど、やはり良くないものは良くないと発信したかった。
追記だが、年末の紅白歌合戦で一番良かったのは猪苗代湖ズだと思っている。
ま、紅白全曲を見たわけではないのだが、猪苗代湖ズの歌には伝わるものがあったと思う。
猪苗代湖ズを批判した自民党員がいたが、勘違いも甚だしい。
歌の批判などしている暇があるなら働け!と言いたい。
内閣改造で岡田元幹事長の入閣がささやかれたりしているが、政治家にはもうあまり期待していない。
民主党も自民党も一緒。ついでに言うと、社民党と公明党はもう要らない。
ボク自身、地元選出の国会議員の事務所に何度も足を運ぶようになった。
もっと国民ひとりひとりが政治にコミットメントすべき時がきたのだ。
議員によってはTwitterやブログをやっている人もいる。
つまり国民が直接政治家に意見が言える環境が出来たのだ。
そのことに関して、ボクは淡い期待を抱いている。
ただし、匿名はダメだ。フェアじゃないし、それはただのクレームにすぎない。
ちゃんと実名で意見していかなければいけないと思う。