(以下、ロイター通信ニュースより)
英誌エコノミストの調査部門エコノミスト・インテリジェンス・ユニット(EIU)がまとめた
世界で最も住みやすい都市ランキングで、カナダのバンクーバーが5年連続で1位になった。
EIUは世界の140都市を対象に、治安状況や医療サービス、文化、環境、教育などの
30項目を基に「住みやすさ」を数値化。
バンクーバーは昨年に続き98%をマークし、2007年から続く首位の座を維持した。
ランキングのトップ10都市のうち、カナダとオーストラリアが計7都市を占めるなど、
上位陣の常連に大きな変動はない。
このほか、パリが16位、ロンドンが53位、ニューヨークが56位となった。
アジアの最高位は大阪の12位で、東京は18位。
香港が31位、北京が72位となっている。
昨年に引き続き、ワースト1はジンバブエのハラレ。
ベスト10とワースト10のランキングは以下の通り。
<ベスト10>
1.バンクーバー(カナダ)
2.メルボルン(オーストラリア)
3.ウィーン(オーストリア)
4.トロント(カナダ)
5.カルガリー(カナダ)
6.ヘルシンキ(フィンランド)
7.シドニー(オーストラリア)
8.パース(オーストラリア)
9.アデレード(オーストラリア)
10.オークランド(ニュージーランド)
<ワースト10>
1.ハラレ(ジンバブエ)
2.ダッカ(バングラデシュ)
3.ポートモレスビー(パプアニューギニア)
4.ラゴス(ナイジェリア)
5.アルジェ(アルジェリア)
6.カラチ(パキスタン)
7.ドゥアラ(カメルーン)
8.テヘラン(イラン)
9.ダカール(セネガル)
10.コロンボ(スリランカ)
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「東京で住みたい街」「住んでよかった街」ランキングは、以前ここで綴ったことがあるが、
こちらはもっと規模が大きく、世界で一番住みやすい街ランキング。
オリンピックの記憶も新しいバンクーバーが、5連覇を達成。
便利な街であることは言うまでもなく、大都会と大自然が隣り合う街として人気が高い。
日本人も多く、ひょっとしたら日本語だけでも生活できるのかと思えてしまうほどらしい。
そう聞いただけで、何だか嬉しくなって、行ってみたくなる。
豊かな自然が広がるカナダとオーストラリアの7都市を含む上位10都市は、
近年は安定して上位を占めているとのこと。
大きな地震があったニュージーランドでも、
第10位にオークランドが入っている。
留学やラグビー、またはヨットに興味がある人でもなければ、
ニュージーランドの印象は薄いかもしれない。
オークランドはニュージーランド最大の都市にして、ポリネシア最大の都市。
ポリネシアNO.2の都市がホノルルだと言えば、
ピンと来なかった人でも、「おお~!」と関心を示すだろう。
これだけを知っても、オークランドが魅力的な都市に思えてくるのだから、
日本人にとって、ホノルルという物差しがどれだけ大きいかわかる。
地震があったのはオークランドのある北島ではなく、
南島のクライストチャーチだが、日本とは直行便もある。
留学する人はもちろん、現地で暮らす日本人が意外と多い。
大学の仲間がオーストラリアで日本語教師をしているが、
隣国でもニュージーランドは全然雰囲気が違うと話していた。
暮らすなら絶対にニュージーランドだとさえ言っていた。
人間の数よりも羊の方が多いとか、豊かな自然が広がるとか、
そのぐらいの知識はあっても、普段から意識しているか、何か接点がないと、
なかなか世界と自分はつながらないだろう。
ただ、知らないことを知るだけで、一気に距離が縮まるような気がするから不思議だ。
「住みやすさ」は、都会的要素と自然的要素のバランスのよさでもあるから、
数年後、オークランドの順位がもっと上になっているかもしれない。
今回、大阪が12位、東京が18位にランクされたが、
将来的に順位を上げるのか、順位を落とすのか、
それとも札幌、名古屋、福岡、または意外な地方都市が、
躍進するかもしれないと思うと非常に興味深くもある。
世界情勢が目まぐるしく変動する中で、
ワーストに近い都市が、この10年、20年で、
想像以上の発展を遂げることだってあるだろう。
こうしたランキングの影響は決して少なくない訳で、
バンクーバーやオークランドに対する短いコメントだけでも、
興味をもつきっかけになったかもしれない。
知ることをきっかけにして、世界が広がっていく。
ここでは主に「住みやすい」に焦点をあてたが、
「住みにくい」に焦点をあてると、また違ったものが見えてくるはずだ。