一睡もせず、病室で兄妹3人で過ごし 静かに朝方、息をひきとった。


亡くなった妹を自宅に連れて帰る。代々お世話になってる葬儀屋さんは別件が入ったので 受けてはもらえず 葬儀会社を決めるのは時間がかかった。
親戚の葬儀の時にお世話になったA社お願いをした。

やっと家に帰れるね。

亡くなると病棟から早く出ていかなければいけない。気忙しかった。

家のベッドでやっと眠る事が出来たね。祭壇もあっという間に出来ていた。

悲しみに浸る間もなく次から次にやらなければいけない事が沢山ある。

団子をつくる、ご飯やお供物、花を供える。お寺さんとの打ち合わせ。

親戚や子供達がお線香をあげに来てくれた。


亡くなる前に妹は自分の最後に着るスーツなどを決めていた。
新品のスーツとシャツブラウス。どんな思いで選んだのだろうと胸が痛くなる。
つらいよね、こんな事しなくちゃいけないなんて‥。

祭壇の花も妹の希望を葬儀屋さんにお願いした。
明るい可愛い花達、紫は嫌いだから ゆり、ガーベラ、バラにしてほしいって‥。

亡くなった翌日も家にいて、翌日湯灌をお願いした。
化粧は可愛くしてね‥
妹のLINEに書き込まれていた。
私と娘達で最後のメイクをした。キレイだよ。華やかになるように仕上げた。
そして、通夜の夜、最後の夜を斎場で一晩中に、線香を絶やす事なく灯した。

弔問の方は300人近く、妹の職場の方や取引先の方など 大勢で驚いた。
入院してる事も、亡くなった事も内緒にしてたのに 妹の人柄がよくわかった。
弔文はタワーのように積み上がり、いったい、どんな仕事をしていたのだろうと改めて妹の偉大さを感じた。
感謝でいっぱいになったよ。

夜中、2時過ぎ、突然祭壇の花が物凄い音を立てて落下した!
えっ!そんな事ってあるの?
自然現象とは思えなかった。
妹がそこにいるよって 知らせてるようだった。
悲しみは深い‥。

斎場に母も泊まった。
布団をひいて 着替えをする時母の足を見たら パンパンに浮腫んでいる事に気がついた。
立ったり、座ったりもつらそうだったが 通夜、告別式が終わるまではどうしようもなかった。
食事も少ししか喉を通らず 食べた後吐いていた。
まさか、この時、母がガンであることは誰も気づいてあげられなかった。

ごめんね、無理させて‥。
頑張ればかり言って 母を励まして 辛かったよね。
本当にごめんなさい。

震えて泣いている母の姿。
泣くと妹に叱られるから 泣かないと言って頑張ってだけど 気丈な母が声をあげて泣いていた。

悲しくて 悲しくて 
どうしてこんなことになってしまったんだろうって 涙が止まらなかったよ。

明日は 妹との最後のお別れ。