池袋 HUMAXシネマズで「光る鯨」を鑑賞。

上映後の羽田圭介さんのトークイベント目当てで行ったものの、

結果こんな素敵な映画に出会えてほんと良かったキラキラ

 

普段はめったに邦画を観ないし、しかも邦画で2時間超える作品を観るのも初めて。

でも、とってもテンポが良くて、会話の内容が耳にすっと入ってくる感じ。

その理由は、アフタートークで羽田さんが仰っていた。

余計な説明風のセリフがなくて実際の会話ってこんなだよねっていう、ナチュラルなセリフだったから。たしかに。

何そのセリフ?って引っかかるところがなかったし、全然長さを感じなかった。

小説でもドラマでも映画でもマンガでも、何その説明風セリフ?

そんな言い方しないでしょ、っていっつも必ず引っかかる私にとって、

それが全くないってこんなにストレスフリーなのかぁって思いました。

 

そして映画の内容の方は、とにかく好き!この映画、大好き!

SFではあるものの、なにこの温かくて優しくてキュンとする感じ。

よしもとばななの「キッチン」(映画の方)を思い出して、もうたまらないなぁ、

ひとりで夜中に部屋を暗くしてお酒飲みながら観たいなぁって思いました。

 

ここからはちょっとネタバレになっちゃうかもだけど、

イトちゃんとはかるが一緒に過ごした二日目の夜の感じ。

ここも変に演出臭くないというか、実際そんなかんじだよね、ってシーンですごい好きだった。

あと、ふたりと別れて元の場所に戻った時の、ツキオの表情。

いろんな感情が現れてて、優しい気持ちと切ない気持ちと、

あぁ、ツキオはまたこれからずっとこの場所にい続けるのかな、

誰かが来てくれたらここから離れられるのかな?後悔してるのかな?その逆かな?とか、

ほんの一瞬だけど、色々考えちゃうシーンだった。

 

それから、イトちゃんとお姉ちゃんが歌うシーン。

歌い終わったらお母さんとお父さんがいなくなってたらいやだな、とか思ってたけど

そんなことなくて、そのあとのお母さんのセリフで泣いちゃった。

あと、お姉ちゃんはメンチカツにソースかけないんだね?この家族みんなそうなのかな?

あ、イトちゃん、はかるの分までソースかけるんだね、とか。

なんかこのコロッケとメンチカツのふたつのシーンで、「家族」を考えちゃった。

それからそれから、はかるとイトちゃんが別れるとき、

イトちゃんが「待って」って言うのをすごい期待してしまった。

ていうより、「イトちゃん!待ってって言って!」って心の中で願ってた。

でもはかると一緒に行ったら多分もうお姉ちゃんとは会えなくなるんだよね?

イトちゃん、なんでこんなに淡々としてるんだ。

抗っても無駄だってことを知ってるから?

来たものを受け入れるしかない事を知ってるから?

 

でも、この映画に出てくる人は基本みんなそんな感じ。

受け止める。抗わない。

羽田さんも言ってたけど、パラレルワールドもすぐに受けいれちゃうところとか、

あんなに月が大きいのに、一瞬びっくりして終わりとか、

わたしならディープインパクトとか頭を過って怖くて冷静じゃいられないけど、

そこでいちいち引っかからないで、はい、進めますねって話が続いてく感じが

観ていて疲れない理由かも。

 

パラレルワールドではかると過ごしている間、

もうお姉ちゃん出てこないのかな、さみしいなって思って、

ツキオとバイバイしたらすごく切なくなって、

はかると別れるときに、もうはかる出てこないのかな、もう会えないのかなって悲しくなって

お姉ちゃんのいるおうちに帰れてお姉ちゃんが「おかえり」って言ってくれた時、

イトちゃんは何日帰らなかったんだろう?何時間?パラレルにいた時間の流れ方ってどうなってるんだろう?でもまたお姉ちゃんが出てきてくれて嬉しい、ってなって。

そしてそのどの時間軸にも直子がいてくれることの安心感。

どんなに壊れたとしても直子がいれば大丈夫って思えて直子が出てくるとホッとした。

 

そして、この映画は登場人物がみんな素敵でした。

お姉ちゃんの中神円さん、ほんとナチュラルビューティー。

会話が自然、表情が自然、たまに見せる笑顔がとてもきれい。

イトちゃんの関口蒼さん、歌声がきれいで感動しちゃった。

私この映画を観るまでご本人の経歴とか全然知らなくて、

上映後、ご本人に「きれいな歌声ですね」とかめっちゃ失礼な事言っちゃった。

ごめんなさいあせる

はかるもツキオも会話が自然。

セリフ?アドリブ?ってくらい、決められたセリフを求められるタイミングで言っているようには

全然見えなくて、一瞬自分もその会話に参加しているような錯覚に陥るくらい、

「言わされてる感」がない。

千石さんも。

聞いてて気持ちの良い話し方で大好きだなって思った。

イトちゃんがまたバイト始めたコンビニの、愛想の悪かった先輩店員が

イトちゃんがバイト上がって帰るときに手を振るシーンとか、あ、いいなって思った。

人間関係ってこんなかんじだなって。

 

最後に、羽田圭介さん。

めちゃくちゃかっこ良かったラブラブ

緊張して全然ちゃんと話せなくて、かっこいいですねばっかり言ってた気がする。

9月くらいに別の映画のアフタートークを聞きに行ったときには緊張して話しかけられず、

5年前、初めて某テレビ局のスタジオで見た時はわたしも仕事中だったから一瞬だったし、

羽田さんも収録中だし、遠目に「生羽田圭介!!」って興奮して終わりだったので今回は三度目の正直って感じ?

言葉合ってますか?

10冊以内なら、本を持ってきてくれたらなんにでもサインしますっていう羽田さんのツイートに

いつも電子書籍で読んでる事を後悔しながら、唯一ハードカバーで持ってる「Phantom」と、

昔電子書籍で読んで羽田さんにハマったきっかけになった「成功者K」の文庫本を持って、

なんにでもとは書かれていても文庫本なんて失礼かな?と思いつつ羽田さんの元へ。

羽田さんは電子書籍と文庫と、同じ本を2冊買ったことにお礼を言ってくれたけど、

こちらとしては最初から紙の本で買ってなくてごめんなさいって感じでした。

「クルマを買う」も「5時過ぎランチ」も「ポルシェ太郎」もハードカバーで買えばよかった。

今週「滅私」を買うつもりだったからこれはハードカバーで買おう。

「三十代の初体験」が本屋で売ってなくて買えてないけど、これも電子書籍じゃなくハードカバーで買いたい。

いつかサインしてもらえるように。

終始にこやかに優しく話してくれる羽田さんを「カッコイイドキドキ」と思う反面、

この目の前にいる小説家のKは内心「めんどくせーなぁ」って思ってるのかな、

本を売るために割り切って愛想を振りまいてるのかな、とも思ったり。

だけど、両手で握手をしてくれた羽田さんの手は大きくて温かくてとても心地良くて、

最後には、あぁ嬉しいなぁ、Kが何を思っていても別にいいや、って思えた。


今日は羽田圭介さんとお話しできてサインもいただけて、

そして「光る鯨」という大好きな映画に出会えて、最高にいい日だったな義理チョコ

光る鯨、もう一回観に行こう。