日々是お気楽-densha


子供の頃から転びやすかった。


自慢ではないが、僕は子供の頃からよく転んだ。それも、特に足元の悪い所ではなく、普通の場所で転んでしまうのだ。思うに、平衡感覚に問題があるのだろう。運動神経には2種類あり、一つは反射神経、もう一つが平衡神経というの聞いたことがある。反射神経の優れた人は、テニスや野球など、瞬間的に体を反応させるスポーツに適している。反対に平衡神経の優れている人は、体操や柔道に向いているらしい。言われてみれば、僕は平均台をちゃんと渡れないし、川にかかった一本橋も上手に渡れない。自動二輪の免許を取りに行った時も、低速で細い板の上を走る一本橋というやつが苦手だった。体のバランスをうまく保てないのだ。


三半規管に異常があるのではないかと、本気で心配したこともあったが、医者によると、どこにも異常はないという。それでは、なぜ転びやすいのか?いろいろ考えた挙げ句、ひとつの結論に達した。上半身と下半身のバランスが、あまりにも悪いということだ。昔から、お前の体は二等辺三角形を逆さまにしたみたいだと笑われてきたが、確かに下半身に比べ、上半身が異常に大きい。ジーンズは31インチを普通にはけるのに、シャツはアメリカサイズのXLでなければ駄目ということでも、それは確実だ。おまけに、競輪選手のような足にはなりたくないと、ジムでも上半身ばかり鍛えていたため、ますますアンバランスになってしまったようだ。


「ほらほら、ちゃんと足元を見ながら歩きなさい!本当に、あんたはそそっかしいんだから…」


一緒に出かけると、何度も祖母に言われたものだ。祖母は中学へ入った年に亡くなったが、もし今も生きていたら、同じことを言い続けていたかも知れない。


足元を見るのが大切なのは、歩く時だけではない。人生においても、遠い先の夢ばかり見ていないで、足元の現実をきちんと見なければ転ぶ。どうやら僕は心の平衡感覚にも問題があるようだ。足元を見られず、夢ばかり追いかけて生きてきた気がする。


反省を込めて足元を見たら、ホームにかわいい物を見つけた。乗車位置を表示するのに、こんな物を使っている駅が他にあるだろうか。


JRお茶の水駅。

ほっこり、笑顔になれた。


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