去年の10月11日は「体育の日」だった。
なぜそんなことを覚えているのかというと、その日の朝、13年間ずっと側にいた CoCo が死んだからだ。
CoCo はガッシリした体で力が強く、我が家の敷地内へ入り込む野良猫たちをことごとく叩きのめしていた。家猫でありながら、近隣の猫社会のボスだったらしい。毎日何度か、偉そうな顔をして近所をパトロールしていた。しかし、ひとたび家に戻ると、とんでもない甘えん坊に変身した。顔つきも態度もコロッと変わり、ずっと僕の側を離れないのだ。ハワイへ出かけて長く家を空けると、毎晩毎晩、階段の上に座り、玄関のドアが開くのを待っていたという。「おまえは猫じゃなくて、本当は犬じゃないの?」と話しかけたものだった。
一年が過ぎ、今、我が家には新しい猫が5匹いる。CoCo と同じ黒猫4匹の中で、ハンゾーくんは尻尾の長さといい体つきといい、CoCo によく似ている。
もうそろそろ大丈夫だろうと思い、今日、ここに CoCo のことを書こうとしたが、やはり、まだ駄目なようだ。写真を選ぼうと、PCに保存されている CoCo のアルバムを見ているうち、もう涙が流れてきた。書き始めてはみたが、鼻が詰まって頭が痛くなってきた。
いつになったら、笑顔で CoCo の思い出が語れるのだろうか。とりあえず、まだ出来ないことがはっきり判った。


