日々是お気楽-kannon


生涯二度目の大須だ。


この町のランドマークが大須観音であることは間違いない。最初に訪れたのが何年前だったのか記憶にないのだが、その時は大須観音も町も、なんとなく色あせていた気がする。地元の人の話では、それでも少しずつ活気が戻ってきているとのことだった。今回は連休初日ということもあってか、参拝者の数も多く、町も活気に溢れていると感じた。観音堂も心なしか輝いて見える。

大須観音を中心に、観音通りと仁王門通り、平行して走る二本の大きく長い商店街には様々な店が並び、若者からお年寄りまで、たくさんの人が歩いている。ふと、浅草を思い浮かべた。そのことを知多からわざわざ出て来てくれた友人に話すと、「そうだね、どっちも門前町だから似てるかもね」という言葉が返ってきた。彼はずっと我が家の近所に住んでいて、数年前、家の都合で実家の知多へ戻ったので、浅草も大須もよく知っているのだ。


彼とは共通の友人である変なアーティスト、ま、アーティストは大抵みんな変なのだが、とりわけて変なもりわじん氏を通じて知り合った。そのもりわじん氏と彼は、ともにインドを放浪中に知り合ったという。2年間のインド放浪の旅から戻った彼は、NGOの海外派遣員となり、今度は東南アジアやアフリカを彷徨った。根津で暮らしていた時は、どこかの官僚を受け入れる天下り団体の職員だったが、知多へ帰ってからは高校の教壇に立っている。もう、この履歴を見るだけで相当に怪しい。

日々是お気楽-utsukun


実際に見ても、十分に怪しい。


この怪しい彼の奥さんは志保ちゃん、彼女も海外協力隊でアフリカに行っていたのだが、特に怪しいところがないのが不思議だ。その志保ちゃんと息子のはじめ君、彼のお母さんと志保ちゃんのご両親の団体で、大須演芸場に出演している妻の高座を見に来てくれたのだ。

妻の高座が終わり、みんなで観音通りの甘味処でお茶を飲み、お喋りをした。楽しい時間だった。子供とお年寄りを引率して志保ちゃんが帰った後、彼と僕ら夫婦の三人が向かったのは、仁王門通りのブラジル料理店だ。大須は数年前からブラジルを中心として、ラテン系外国人の数が増えている。大須観音で感じた輝きは、彼らラテン系の明るさに影響されているのかも知れない。

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「Osso Brasil」、チキンの丸焼きが有名な店だそうだ。経営しているのも、働いているのも、料理を作るのも、もちろんブラジリアン。なんだか、とても居心地が良い。


日々是お気楽-maruyaki


本当に丸ごと一羽をド~ンと焼いて、鋏で大ざっぱに切り分けてくれる。恐らく焼く時に塗るソースに秘密があるのだろう。あっさりしているのに、しっかり味がしみていて美味しいのだ。彼と妻は、名前も覚えられない強力なブラジルのカクテルを、僕はインカコーラを飲みながら、更に数種類の名前を覚えられない料理を食べ、お腹いっぱいになった。

その後、店を変え、彼はウォッカを、妻はワインを、そして僕はルートビアをがぶ飲みした。どうでもいい話から真面目な話、将来的に重要になるであろう話から、忘れた方がいいかも知れない話まで、切れ目無く話が続く。

残念なことに、大須の店はどこも閉まるのが早く、8時を過ぎると、どんどんシャッターを下ろしてしまう。最後の店も10時半になると、店員がみんなで片付けを始めた。しかたなく解散したが、スタートが早かったので、食べ物も話も満腹で別れることが出来た。


ひとし君!楽しい時間をありがとう。僕らはやっぱり、貴重な20%仲間だよ。




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