「おみやげ、何がいい?」
仕事で岩手へ行く妻にきかれた。
「南部せんべい!」
迷わずリクエストした。子供の頃から南部せんべいが好きなのだ。南部は鉄瓶が有名だが、この煎餅は鉄瓶ほど固くなく、かといってソースせんべいやえびせんべいほど柔らかくない。その程よい堅さが、僕の感性に合っている。
驚いたのは、お土産の包みを開けた時だ。なんと種類の多いことか!いつの間にこんなに増殖したのだろう。朧気な記憶の中の南部せんべいは、殆ど味のないシンプルな胡麻と、せいぜいピーナッツ位だったはずだ。
オリジナルの他に、
しょうゆ
二度焼
ピーナッツ
唐辛子
かぼちゃ
いか
豆
林檎
たまねぎ
と、箱の中から10種類が出て来た。どれも美味しいから、止まらない。
なんで南部せんべいが好きなんだろうと考えた。形や作りは、以前紹介した北海道土産の定番、「山親爺」に似ている。「山親爺」は僕の好物のひとつだから、そのラインで南部せんべいが好きということもあり得る。
更に考えていくと、あることに行き当たる。それは、「山親爺」も南部せんべいも、小さい頃、父親が出張の土産に、よく買ってきてくれたことだ。父親は出張に出ると必ず何か買ってきた。飛行機や新幹線の時代ではない。移動に時間がかかるから生ものは土産に出来ない。いきおい、煎餅系か飴系になるのだ。
そう言えば、北海道土産がもう一つあった。函館のトラピスト修道院のバター飴だ。白ではなくクリーム色の飴は、ミルクとバターの味がして美味しかった。微かに砂糖がかかっていたかも知れない。飴を食べ終わった後は、濃いブルーの缶に、細かいオモチャを入れ、大切に保管していたものだ。
え、細かなオモチャ?
そりゃもう、グリコのおまけに決まってます。

