日々是お気楽-pot


CoCo が逝って3日。


家族の誰もが、CoCoの居ないことに違和感を持っている。仕事から帰った妻は、階段を上り部屋へ入ると、無意識にCoCoの姿を探している。子供達も同様に、自分達の部屋から下りてくると、目が泳いでいる。CoCoの好きだった場所を、あちこち追ってしまうのだ。


食事の支度を始めると、CoCoはいつでも、僕の後ろに黙って座っていた。


「あ、今夜はエビなんだ。ひとつ、落とさないかな」


「ベーコンをひとかけら落としてくれたら、ラッキーなんだけど」


そんなことを考えながら、ジッと僕の動きを見ていたに違いない。

出来上がった料理を食卓へ置き、次の品にとりかかる時は、必ずCoCoの場所をチェックしなければならない。そっと椅子に登り、まだ熱い料理に静かに手を伸ばす危険があるからだ。うまい具合に、取ったか取らないか、こちらが判らない部分の肉や魚を皿から持って行く。

全く音をたてない。器用に手を使う。まさに名人技だった。


今日も、料理の合間、つい食卓を振り返ってしまった。仕事机の前に座る時も、椅子の下を確認してしまった。よく、そこでジッと僕をまっていたからだ。部屋の隅のアロハシャツのラックの下、ベッドのヘッドボードの下、クローゼットの扉と書類ケースの間、そんな意識はないのに、目が行く。もちろん、CoCoは居ない。判っているのに、気配を感じてしまう。

13年間一緒に暮らしたのだ、そうそう簡単に慣れるわけがない。


食事の後、娘が言った。


「唐揚げを残したまま、みんなが居なくなっても大丈夫だなんて、なんか変だね」


うん、確かに変だ。