I'm 100% pure Japanese.
いせ辰の「流暢な日本語をお使いになる事件」について、数日前、ここに書いた。
今日、僕は仏壇の供物を盛る器を買うため、上野へ出かけた。仏壇に毎日ご飯を供えるというのは、我が家で昔から行われていることなのだが、正直、僕には理解出来ない行動だ。やりたい人はやればいいと思うが、僕はなにか違うように感じてしまうのだ。ま、年寄りと暮らしている間は、黙って気の済むようにしてやるしかないだろう。
で、この器を、先日うっかり落として割ってしまった。責任上、僕が買ってこなければならない。
上野から浅草へ抜ける通りの両側には、昔から仏具屋さんが軒を並べているので、その中の一軒へ入った。運良く、店先のワゴンの中に、これまで使っていたのと同じ物を見つけた。350円の値札が貼られていた。結構安い物だったんだなと思いながら、レジのおばさんに持って行くと、そのおばさんが、なぜか異常に親切だったのだ。
「これでいいの?」
そう言うと、おばさんは電卓を叩いて、僕に示した。350円の買い物、しかもまだお金を渡していないのに、なぜに電卓?と思いつつのぞき込むと、300という数字が打ち込まれていた。
「それでいいわよ」
50円おまけしてくれるというのだ。
ポケットから小銭を出し、500円玉を見つけて、渡した。僕は小銭入れを持たない主義で、小銭はいつもズボンのポケットに放り込んでいる。
「割れやすい物だから、バッグの端っこに入れなさいね」
段々嫌な予感がしてきた。
「はい、お釣りよ。100円、200円」
おばさんは、100円玉を一枚一枚、こちらに確認させるように見せながら、丁寧に僕の手のひらへ乗せた。
「ちょっとウエイトね」
やっぱり…。
店を出ようとする僕を、おばさんが呼び止める。
「サンプル、サンプル!お線香ね」
手のひらをヒラヒラさせ、香りをかぐ仕草をして、試供品の線香を 5箱くれた。おばさんは、ずっと笑顔だった。
しかたないので、僕は、こう言って、頭を深く下げた。
「ドモ、アリガトゴザイマ~ス」
