腰が痛い。
朝から妻と庭へ出て、伸び放題だった植木を剪定した。選定というときこえはいいが、植木鋏と小さな熊手を手に、片っ端からパチパチ切っていくだけだ。雑草と思わしき物は、どんどん抜いていく。あいにく、僕は植木に詳しくない。というより、どれがなんという花か草か、皆目見当がつかないから、実に乱暴な話だ。
「ゴチャゴチャしてるのは鬱陶しいから、切ろうね」
「だね」
といった調子で、ガンガン切る。引っこ抜く。秋から溜まり続けている落ち葉や枯葉が、これまた半端な量ではない。何カ所かの拠点を決め、切った枝も抜いた草も枯葉も、全部集める。集めたところで、大きなゴミ袋をに詰め込む。我が家の近辺は、毎週月曜日と木曜日が可燃ゴミの収集日だ。次の月曜日は我が家だけで、かなりの数のゴミ袋を出すことになる。
地面を埋めた枯葉をどかすと、いろいろな物が出てくる。突然現れたビニール線をたどってみると、その先は地面に埋められている。そんな物のあることを知らなかったのだが、どうやらアース線のようだ。反対側をたどると、床下へ消えていた。ボロボロに腐ったコタツ板も出て来た。なんで庭にコタツ板が敷かれてあるのか判らないが、これは6年前に逝った父親の仕業に違いない。ずっと、庭の手入れは父親の仕事だったからだ。
「雨のたびにぬかるむ所に敷いたんじゃない?」
「コタツの板を敷かなくても、他に方法があったんじゃないかね」
家を建て直す前からそこにある石灯籠は、恐らく100年近く前の物だと思うが、手で押すと、グラグラ揺れた。大きな地震が来たら、確実に倒れそうだ。その時、近くを猫が歩いていないことを祈りたい。
植木を手入れし、サッパリしたところで物置の整理に取りかかると、茶道具や炭の影から狸が現れた。一体、いつから物置に置かれていたのだろう。
面白いから、庭石の前に立たせてみた。
「うん。なんか…いいね」
