悲しい光景を見た。
夕方、お茶の水から歩いて帰る途中、聖橋を渡った辺りで何かを感じた。4車線の車道をはさみ、反対側の歩道を見ると、何かがある。夕闇の中、それが何か定かではなかったが、とにかく気になった。車の流れを縫い、一気に4車線を横切った。
そこには、お年寄りなどが足を休めるためのスペースがあり、腰を下ろすのに丁度良い大きさの石が置いてあった。
そして、その石の上には、壊れたギターが・・・。
壊れたというより、明らかに壊されたと思えるギターの近くにはケースやメモなどが散乱している。この場所で壊し、捨てたのだろうか。
僕は楽器が得意ではなく、学生時代の流行でギターを弾いた位の経験しかない。それでも楽器そのものは大好きだから、誰にしろ楽器を粗末にするのを見ると腹が立つ。だから、壊されたギターを見た瞬間、胸がキュンとして、とても悲しくなった。何があったのか、なぜそうなったのか、持ち主にはそれなりの訳があったのかも知れない。それにしても、壊すことはないだろう。ステージでギターを壊したり、火をつけて燃やしてしまうミュージシャンも居た。みんな興奮して手を叩いていたが、僕は、いつも暗い気持ちになったものだ。
見てはいけない、悲しい光景を見てしまった気がして、とても辛かった。
