日々是お気楽-Cold1


夏の楽しみのひとつ、冷やし中華。

僕は一人で外食するのが苦手で、よほどのことがない限り、一人で店へ入り、何かを食べることはない。そんなことをする位なら、空腹を我慢して家へ帰り、一人でコーヒーを入れ、チーズトーストを食べる。昔から、空腹には強いのだ。我慢しているうち、空腹であることを忘れ、食事を抜いてしまうことも多い。


なのに、なのに!冷やし中華だけは別なのだ。

「冷やし中華あります」とか、「冷やし中華始めました」という貼り紙を見ると、どうにも我慢が出来なくなる。

冷やし中華の何がそうさせるのか、自分でも判らない。いつも、頭の中が冷やし中華でいっぱいというわけでもない。ただ、貼り紙を見ると、無性に食べたくなってしまう。


この冷やし中華は、自宅近くにある「ふくや」のものだ。古くからある店で、子供の頃、よく出前の炒飯を食べた記憶がある。祖母が亡くなった時、大人達はみんな葬儀の支度に忙しく、三日ばかり、毎日食べさせられたが、決して嫌ではなかったということは、美味しかったからだろう。

考えてみると、昔は、よく出前を取っていた。中華なら「ふくや」、うなぎは「柏屋」、そばは「富岡屋」、寿司は「若菜」など、店はちゃんと決まっている。

「うちは、そばは新ふじよ」

「お寿司は寿司常だわ」

「うちは、中華は新三陽なの」

といった具合に、各家庭ごとに好みの店があったように思う。それだけ、狭い範囲に、同業者が居たわかだ。


「ふくや」の冷やし中華は、これぞ冷やし中華の定番です!といった感じで潔い。