「デーブ デーブ デーブ。」

と、私に向かって発した利用者さん。

言ったあと

良くない言葉だと気付いたようで

「ごめんなさい。」を連呼。


私は、利用者さんから

デブと言われても気にはしないし

笑って流せるけれど

それは、障害特性の理解をしていたり

普段どういう人かを知っているからです。


でも、私が気にしないから、と受け流してしまうと

その言葉を

誰彼構わず言って良い言葉だと認識し

誤学習をしてしまう可能性があります。


私がどうこう、ではなく

彼にとってベストな支援をしなければならない。


「私が、◯◯さんに、デーブっていっぱい言ったら、◯◯さんは嬉しいですか?それとも嫌ですか?」


「◯◯さんが言われて、嫌だったら、私も嫌な言葉です。

人には、言わないようにしましょうね。」

と伝え

「ごめんなさいを、いっぱい言って謝ったのだから、これ以上は、ごめんなさいは言わなくて良いです。

ただ、これからは気をつけましょうね。」

と伝えた。


大事なことは

ダメなことだけを伝えるのではなくて

ダメな理由を知ってもらうこと。

「それダメですよ。」

と言ったところで

ダメはわかっても、なぜなのかはわからない。

理由がわからなければ

本人の中で消化しきれなくなって

ダメ、と言われたことだけが残り

不穏になったり、自傷他害に繋がります。


きっと1度ではムリで

何回も繰り返すかもしれませんが

根気強く、向き合うしかないのです。


ダメだと伝えることは簡単なんです。

でも

それだけ伝えても、何にもなりません。

ダメだと言われれば

言いたくなり(やりたくなり)

注意喚起として、使うようになります。


自閉症や知的障害が大変なのではなく

彼らの特性を十分に理解し

必要となる支援を考えることが出来るか。


障害が悪ではなくて

導こうとしているやり方が

彼らに合っていないのかもしれません。


支援は

知ることから始まって、知ることに終わる。

当たり前だけれど、基本的なことです。