令和6年能登半島地震が起きたあと

ニュースのコメント欄で、度々

「先の短い高齢者ではなく、未来ある若者の生命を助けろ。」

と、いうコメントを読んだ。

このコメントを残す人の気持ちが

私には、理解が出来ないし

このようなニュアンスの言葉を発する人たちが

信じられないくらい、沢山いる。


世の中には、色々な考え方の人がいるし

立場が変われば、見方も変わり

意見や考えも、変わるのかもしれない。

でも

私が看護師として、いえることは

綺麗事でもなんでもなく

生命は、何歳の人であろうと関係なく

大切だということ。


0歳の子の生命は、重くて

90歳の人の生命は、軽い、なんてことは、絶対にないのです。


トリアージをする医療者が

好き好んで、生命に優先度をつけると思いますか?


ある日突然、なんの前触れもなく

生命の危機に立たされた人たちを

助ける気がない医療者なんて、いないよ。


普段、生命を救う立場である人たちが

災害という状況が変わった途端に

まだ、なくなってはいない、生命を

諦めなければならないのは

本当に、残酷な現実だと思います。


同じ地域に暮らしているのだから

医療者だって、被災しているのです。


みんな、口にはしないだけです。

口にはしないけれども

自分たちも、怖いし、不安なのに

その恐怖や不安を、感じながらも

毎日、生命に向き合っているのです。


北海道の胆振東部で地震があった時

札幌市は停電し

信号機もつかなくなりました。

電話も繋がらなくなり

どこの病院がやっているのかも

わからない状況になりました。

それでも

利用者さんの生命を守るために

私たちは、駆けずり回って

薬や食料や飲料を確保しました。


赤ちゃんであろうと

子どもであろうと

若者であろうと

高齢者であろうと

同じ、生命です。


年齢だけで、生命に優劣をつけられるのなら

災害に限らず

医師も看護師も、保健師も助産師も

世の中に、必要なくなります。


あなたがどうでも良いと思う生命も

ほかの誰かにとって

とても大切な生命です。

それは裏を返せば

あなた自身の生命も、

誰かにとって、大切な生命だということです。