令和3年の司法試験の日程が発表された。例年通り5月とのことだ。

 

予想していなかったわけではない。

私は、これから来年の5月に向けて計画を立て、実行し、合格発表までの期間も司法試験対策ができる。

 

しかし、今年の予備試験の合格者への配慮が必要なのではないか。

 

予備試験は、もともとローに通うのが難しい人が法曹資格を取得する途を開くために設けられたはずだ。

そうである以上、予備試験において想定している対象者は、経済的理由等から仕事を続けながら受験する者ではないのか。

私も、予備試験の恩恵を現に受けている。予備試験がなければ、司法試験を受けようとも思っていなかったはずだ。

 

仕事をしながら受験する場合、通常の日程であっても、予備試験合格後から選択科目を急ピッチで仕上げるのは大変だ。

それが、半年から3ヶ月に半減した。合理的な計画を立て、他の科目にも配慮して勉強したとしても、どれだけ合格率を上げられるだろうか。

 

だから、私は、今年と同じように8月開催が妥当だと考える。

 

もっとも、司法試験の大多数の受験者であるロー卒生の空白期間短縮の利益や運営の円滑・採点スケジュール・司法修習のスケジュールという反対利益がある。在職中予備試験合格者という少数派(去年は115人くらい)を犠牲にして5月に開催するのはやむを得ないという意見もあると思われる。

 

しかし、予備試験の本来の趣旨からすると、せめて、在職中の予備試験の合格者に関しては、令和3年司法試験については受験可能としつつ受験回数制限との関係ではノーカウントとするなどの措置は、検討すべきではないだろうか。

 

在職中であることの証明は、職場の証明書が基本だが、職場に内緒で司法試験を受けている人もいる。そこで、偽造等のおそれもあるが、社員証写し・健康保険証の写し等による緩い認定でもいいのではないか。申請者には、司法試験合格後司法修習申込時に退職証明の提出を義務付けることで、事後チェックもできる(ただ、受験回数制限にかかる法改正のハードルがある)。

 

今年の司法試験を開催していただけたことには感謝している。しかし、仕事をしつつ法曹を目指す人の事も配慮して欲しかった。

 

予備試験受験生の方へ。論文試験が終わっても、絶対に気を抜けません。民法・刑法・民訴法・刑訴法(口述対策のため)はもちろん、選択科目(できれば入門書などで導入まで)をやった方がいいかもしれません。ご自身の可処分時間と相談して、最適な優先順位をつけてベストを尽くしましょう。色んなスケジュールの立て方がブログやツイッター等で流れると思います。しかし、自分の事を一番理解でき、最適な優先順位と計画を立てられるのは自分しかいません。自分を見失わないように長期戦を戦い抜きましょう。