「#1# 」からの続き。
話は前後するけど、ケイが入院する前から私の仕事は忙しくて、
帰宅が夜12時になる事も少なくなかった。
私の彼女は転職する前の繋ぎのバイト先で知り合った。
ノンケさんやったけど自然にそうなってた。
何で惹かれたかは今はさっぱりわからん。
私が先に転職して社員になった。
彼女も後から辞めて、土日休みの会社にパートで入った。
私の会社は土日と休むのは難しかったし、勤務も不規則
やったから、すれ違いが多くなっていった。
ケイが退院してしばらくした頃、私に異変が起きてた。
それが今も続いてる動悸や息切れやったんやけど、
始めは不眠からはじまって理由も何もわからんかった。
電話でケイに相談してた時…
「あるもちゃん、それは神経に来てるんやって。」
私の症状を聞いてすぐに気付いてくれたのはケイやった。
そして自分の彼女に相談して、初めて精神科に行った。
そこから彼女はすっかり変わってしまった。
「いつもしっかりしてて、何でも買ってくれて
優しくしてくれる人なら、あるもちゃんでなくてもいい。」と。
その頃は彼女を追いかけて同じ団地に引っ越してた。
歩いて5分くらい。職場からも近いという理由も大きかった。
そしてテーブルに私のアパートの鍵を置いて続けた。
「お母さんにこの鍵返しなさいって言われた。
泥棒とか事件あった時に一番に疑われるのはうちやからって。」
これで別れるしかないな…と思った。
精神科に行った=狂ったと思われたらしい。
もちろんケイにもこの話はした。
「私は自分の彼女とすぐには別れられない。
こんな事言うのはすごく都合がいいのはわかってるの。
でもね、もし、もしあるもちゃんがいいって言ってくれるなら、
あるもちゃん私と付き合わない?
確かに私には彼女はいる。いるけど、心はあなたといる。
あなたの心は全力で守る。彼女とのけじめもつけるから。」
会った事もない人を好きになるなんて思ってもみんかった。
それでもその時はどうしようもないほど好きやった。
画像と声しか知らない、彼女のいるケイと付き合う事にした。
ケイが私を自分の一番の彼女だと思ってくれている事が
嬉しくて仕方なかった。
「友達のままいればよかった。」と後悔するまでに
そう時間はかからんかったけど。
少なくともそれに気付くまでの私は幸せやったと思う。