今日は東京センターからダックス♂2頭の引取がありました。
1頭は収容犬(迷子や遺棄などで収容された犬)ですが、もう1頭は、飼い主からの処分持込でした。

飼い主からの処分持込
それは、もう飼えないからこの子を引き取ってください、すなわち、処分になりますがいいですか?というセンターの確認があって、それに同意して・・・という意思確認があっての前提での持込です。

基本、センターでは飼育放棄者からの相談があっても、すぐに受けることはせずに、本当に飼えないのか?新しい飼い主を見つけることは出来ないのか?
そういったことを必ず聞いて、何か問題があれば指導して、犬の引き取りをしています。

しかし、2~3週間ほど前に持込されたこの子は・・・
ただの飼育放棄ではなく、あきらかに飼育放棄虐待であっただろうと思われます。

持込された時の体重2.8キロ
骨と皮で、からだには床ずれのような傷もあり、死んでしまうのではないか・・・というような悲惨な状態だったそうです。

ダックス♂ 

職員さんの1日4回の食事、そして手厚いケアで、2週間後には、体重も1キロ近く増えて、生気を取り戻したようです。
今日は体重が2.8キロ→3.7キロにまで回復していました。
適性は5キロ台前半と思いますので、まだまだ痩せています。

病院で諸検査をしていただきましたが、極度の栄養失調
低血糖、低たんぱく
食事は欲しがって食べてはいますが、便が水状です。
消化吸収できる力が失われているんですね。


ダックス♂ 

ダックス♂ 

からだ中のいたるところ傷だらけです。
目立つところは耳や足の骨盤のあたりの褥瘡(じょくそう)ですが、小さな傷が全身にあります。
満足に食事を与えられず、それでも2歳になるこの日まで、彼は生きてきました。

虐待同然の扱いを受けていたこの子が、本当に可哀想でなりません。
でも私は、とにかく生きていてくれて良かった・・・と思います。


センター収容されて、生きてセンターを出るチャンスは、ほんの一握りです。

全国で年間22万頭の犬猫がセンターや保健所に収容されて
無事に飼い主返還となる犬猫は約16,000頭
譲渡されて命を繋いだ犬猫は、約30,000頭
残りの18万頭近くは、ガス室での致死処分です。

もちろんこれは、センター収容された子たちの目に見える数字であって、交通事故や路上死亡で回収される犬猫たちは、全国で何十万頭いるのでしょうか・・・。
ペット産業の影で亡くなっている子たちは・・・?

私たちがレスキュー出来る頭数など、ほんの氷山の一角です。
3万頭の幸せの影で、18万頭、・・・それ以上が命を失っています。
こうして命が繋がって生きていることで、この子たちが伝えてくれるメッセージ。
それは重たいことですが、私たちは伝えていかねばなりません。