東日本大震災から1年半が経過し、今なお、現地の保護施設でレスキューされている犬猫がたくさんいることに驚かされます。
一日も早く飼い主さんのもとに戻れる、そして、新しい飼い主さんが見つかることを切に願っております。


未曾有の大震災での非常事態はと別として、日常の中での動物愛護活動=ボランティアは、私はこの活動を始めた時から「地域に根ざす」活動が大事だと思っています。
アルマは関東圏のセンターからの引取を活動の軸としており、在籍のスタッフも皆、東京、千葉、埼玉、神奈川、茨城等に住居を構えています。

地域に根ざす
昔よく選挙活動で謳われていましたが「草の根活動」
これこそボランティア活動の原点であるべきだと思っています。

その地域に住む方々が、自分たちの暮らしを守り、地域環境がより良い状態になるためには、何か問題があった時は自分たちで解決出来るようにすることが大事です。
捨て猫、捨て犬の問題も、地域で取り組んで、飼い主の意識レベルを上げることが問題解決への近道かも知れません。

私たちがいくらセンターからレスキューしたところで、また捨てる人がいれば・・・、あるいは繁殖制限をせずにどんどん子犬/子猫が生まれたら・・・ 結局、すくいあげたザルの網目からまた新しい命がどんどん落とされていくだけ。
他人事ではなく、動物も人間も幸せに暮らせる未来を、どうすれば作れるのか、基本に戻って考えたら、意外に簡単なことなのかも知れません。

終生飼育、繁殖制限・・・ そして適性飼育
そこに法の規制が加われば、劣悪環境で繁殖させられる犬猫もいなくなり、地域猫は地域猫として暮らして、やがて寿命をまっとうすれば、野良猫の数も減っていくはずです。

書くことは簡単で、決してそのようにいかないのが現実ですが、その地域に住む方々の意識が変わらない限り、動物愛護に関わる活動は飛躍的には前進していかないでしょう。

どうすれば変わるのか。
命あるものを大切にしましょうという学校教育も必要でしょうし、親が子供に教えることも大切でしょう。
「保護犬」という言葉も知らない方が、世間にはゴマンといるそうです。
当たり前に知っている私たちは、改めて聞いて納得します。


私たちアルマに出来ることは、いまなお日本で年間20万頭もの犬猫が殺処分されている全体から見たら、本当に本当に小さなことです。

センターから犬猫を引き取って、1頭1頭のご縁を繋ぎ、迎えていただいた里親様にセンターの現状をお伝えする。
ブログで発信する。
里親会やフリーマーケットを通じて、生身で接する方々に直接お話をする。
その小さな積み重ねを繰り返して、それぞれの地域に根ざすスタッフ、里親様、また現状を知ってくださった方々が、お子さんや近所の方や知り合いにお話をしてくださるだけで、新しく家族を迎えようと思ってくださる時に、保護犬/保護猫のことを思い出していただければ・・・それも大きな前進です。

先日の犬猫ものがたりのイベントで、来場者の方からのお話にもありましたが、保健所とか保護犬というイメージが、まだまだ一般の方からは遠い存在であることを知りました。
大震災の折は、動物愛護ブームともいわんばかりに、テレビでの報道も活発でしたが、また時期を過ぎると、関心が薄れているようです。
きっかけはどんな些細なことでも、まず知っていただけることが大事です。

そのために私たちに何が出来るのか、今一度、考えてみたいと思います。
決して高いハードルではなく、誰もが足を踏み込めるような、ちょっと考えられる余裕が出来るような、親しみのある活動にならないといけません。


当会出身の保護犬の里親様お二人が「保護犬」について、わかりやすいエッセイを書いてくださっています。
お時間ある方はどうぞお読みになってみてください。



ずっと犬が飼いたかった


 

ほごけん