インドの成長と苦悩
新作がこれ。日本経済新聞出版社の第一弾らしいです。
- 伊藤 洋一
- ITとカーストインド・成長の秘密と苦悩
現在高成長をしているインドも、つい10年前まではたいした成長をしている国ではなかった。
それはY2Kに端を発するSE不足をインドが補ったことに起因するが、
インドで優秀なSEが増えたのはインドの特徴であるカースト制度から逃れていたのがIT産業だからだ、と指摘する。
カースト制度による格差を筆頭とするインド国内の問題、世界の中のインドの問題、そして今後のインドに関する予測。
六章に分かれているが、硬い経済の本というよりは、社会を題材にした旅行記というか、渡り歩きのような印象を持てる。
分析もしているのは当然だが、数値には現れてこない実感部分の記載も随所にあって、それが情緒というか、旅行記のような印象を与えるのかもしれない。
現地に何度も足を運んでいるだけあって、分析よりも実感部分が妙に胸に落ちる部分もある。
インド本の中でも、ITにも神秘的な部分にもカースト制度にも一辺倒になっていない、今のインドの実感に根付いた一冊。