F1と雇用
トヨタは今年もF1継続を表明し、09年モデルのF1マシンを発表しました。
一方ホンダは昨年、世界的な不景気の影響で撤退を決めています。
昨日の新聞には、自動車関連で20000人の雇用が、派遣社員、期間工を中心に失われるという記事が出ていました。
これらを絡めて考えてみたいと思います。
まずF1の費用ですが、正式には公表されませんが、年間600億円程度と言われます。ここからスポンサー費、F1のイベント収入が引かれます。
スポンサーのいるトヨタで350億円、いない本田は500億円程度が費用として見込まれます。
一方で、派遣社員、期間工の人件費はどの程度でしょうか。
一部上場企業の自動車メーカーで、ある試算によると平均年収600万円前後と見れるようです。 ただし平均ですから、比較的年齢が低いと思われる派遣社員等は、平均年収でも一般社員に近いところで、450万円程度と考えてみます。
収入に足して保険、年金等のその他費用がかかり、実際の会社負担はその倍、年収450万円に対し900万円程度となります。
これが派遣社員等になると1/3で済みますので、費用として約300万円、年収で200万円強といったところでしょうか。
一方で、トヨタのF1費用は350億円。
年収200万円の従業員を、ざっくり一万人雇い続ける事が出来る金額です。
ここで言いたいのは、派遣社員や期間工の雇用を守れということではありません。
契約に基づいて雇用を延長しないのは、企業側としては当然です。
売れない車を作るのは無駄、作るための人がいても負担なだけですから、契約と法律に基づいた対応はなんら問題無い事です。
むしろ、派遣社員や期間工はこういう時の為にいたわけですから、彼等は雇用契約が途絶える事によって、企業にとっての本来の彼らの役目は果たされているのです。
ただし、納得感としてはどうでしょうか。
ホンダは、F1撤退をした上で雇用調整をしている。これは優先順位として費用の再分配があった上での雇用調整ですから、手順としても正しいし、やむを得ないと考えやすい。
トヨタは、まだ勝っていないという事をF1継続の理由の一つにあげていますが、その代償が一万人の雇用と言う見方もできるのです。
参入した以上F1勝利と言う面子と、非正規とはいえ雇用の確保、どちらが正しいでしょうか?
F1には少なくとももう一つの側面もありますが、それはまた後日。