菜@本八幡  メニュー変更 | ZERO.blog

菜@本八幡  メニュー変更

菜@本八幡のメニューが一新されます。


店内張り紙により私の理解した変更の主旨は、「原料価格等の高騰で苦しいので、スープを一種類にし麺を自家製麺にする事で価値を下げずにがんばりたい」との事でした。


これも私の理解ですが、一次産品価格上昇と日本経済停滞に対する菜の構造改革です、と見えます。これは様々な点で示唆に富んでいます。

単に値上げで対応する店が多い中で、作り方、メニュー、収益構造を変えることで対応しようとする際の方針は、経営戦略的にも興味深いです。


まず鶏がら、豚骨の二本立てだったスープを一種類にし、サッポロフーズから購入していたと思われる麺を自家製麺にするという「製造」の改革について考えます。


スープを一本化する大きな理由は、作業の一本化によるコスト効果と思われます。原材料の種類を絞り、単純には作業も減らす事ができます。仕込みも、提供段階も、労力の効率化が図れます。


それを質の向上に当てても量の増加に当てても良いわけですが、菜の場合来客数の凡その上限は見えると思われ、作業が効率化される分は質の向上に当てられると思われます。また素材の一本化によるコスト効果も、多少でしょうが見込まれます。もしかすると、この部分の効率化はサイドメニューやサービスに当てられるのかもしれません。


いずれにせよ、コストとバリューの向上の両立を図る手法です。


自家製麺に関しては、製麺機という初期投資は必要ですが、製麺所で作るよりコスト的にはかなり下がるはずです。製麺価格に含まれる人件費や輸送費等が不要に成るわけですから。菜のように無添加を謳うお店では特に、自家製麺にする事でイメージの向上もはかれるでしょう。麺まで自分で作るお店というブランド価値は高いですから。そうすると自家製麺によって、コストダウンとブランド価値、両方を得ることができます。


これも、コストとバリューの両方を向上させる方法です。


収益構造ですが、二本立てだったスープを一本にする事で選択肢の減少があります。これはどのようなスープに一本化するのかにもよりますが、スープを一本にしてもタレを変えることで醤油、味噌、塩、さらにつけ麺等、メニューのバリエーションは増やせます。菜ではここ数年、メニューは固定されていたことから、スープの一本化によるデメリットは大きくないと思われます。


また毎月の限定メニューはおそらく今後も続き、集客効果は維持されるでしょうから、多少のリスクはありますが、それほど大きな影響は無いと予想できます。むしろ短期的には、メニュー一新による高い集客効果も予想されますので、ある意味「イベントによるてこ入れ」効果も期待できます。


ここでは、バリューの低下を最低限に抑える手段であることが分かります。


相対的に見て、昨今の一次産品価格上昇に非常に上手くコストとバリューを対応させたメニューに直しであることが分かります。


価格にふさわしい価値を維持するために作り方を変え、メニューも変える。よくよく考えると、非常に練られた良い計画であると思います。同じメニューのままで値上げ、またはそれを高級メニューへの変更と称してそれを曖昧にする店が多い中で、この菜のメニュー変更は注目に値します。


ラーメン業界のみならず、実業界において今後の動向を注目する価値があるのではないでしょうか。