中国大卒生の求人難
朝日新聞で中国関連の特集を連載でやっています。
目に付いたのは「中国大卒者の求人難」。
私の意見は、求人難ではなく、求人の不一致という点です。
仕事という点では、中国にはまだまだ不足するほどある。
大卒者がやりたい仕事がないだけです。
彼らの根底には「手足を使うものは人に使われる」という儒教思想が根強くある。
大学まで出て、手足を使う仕事に就きたくないというのが本音です。
でも、そういう仕事は競争が厳しいので、いまや大学を出ただけでは就けない。
なぜなら、ここ四年で大卒者は二倍にまで膨らんだ。
いきなりここまで増えたら、受け皿がないのも当然です。
その前兆はあって、今でも大卒者が事務職をやって、
しかも夜はバイトもしている、なぜなら、仕送りに不足するから、という人に、先月中国で会いました。
受け皿がなくても仕送りしないと親は学費の借金で大変なんで、働かざるを得ない。
どっちもどっちという気もしますが、中国というのは片方に向くと、ほかの事を考えずに一気にそっちにだけ向く傾向があります。
実際の経験として、床のペンキを濡れと指示を出すと、三つあったドアの前も一気にペンキを塗ってしまっていた。。
どこから出入りするんだ、なんて考えないのです。床のペンキを塗るだけが使命ですから。
同じように、大卒者を増やせと言って一気に増やす、しかし、彼らの行き先を考えてのことではない。
中国の大学新卒者が就職できる国全体としての成長率が8%と言われます。
しかし、内情は選別が始まっていて、もっと厳しい。
単純労働者でもそうです。
地方から出稼ぎに来て数年経つと、都市の暮らしと情報に慣れて転職していきます。
その理由は、給料よりもむしろ生活環境的な事の方が大きい。
女性であれば夜勤はお肌に悪いから嫌とか、もっとおしゃれな仕事に就きたい、とか。
彼らにも余裕が出てきているんでしょう。
別の側面として、彼等も自信をつけ始めていて、それが故に相対的に外国企業で働く事のブランドは低下しているように感じる。
相対的に給料が必ずしも高くなくなった、と言う点もありますが、それだけでは無いように思います。
豊かになった彼等彼女等は、仕事の選別を始めています。
それは労働力供給のアンバランスを生じていて、それもまた中国らしい問題です。
最も、これもまた一気に大卒相当労働者の受け入れに一気に舵を切る可能性もあるわけですが、
その場合、ポスト急増に伴う今以上の人件費高騰が発生します。
手を打たなければ、彼等の家族は仕送りが無い為借金が返せず、社会的な不満が高まります。
どちらにしろ、不安定な状態が続きます。