人は千年も働けないが
飛鳥時代なんて想像もつきませんよ。
何がって、世界で最初に出来た会社の話です。
その会社は日本で生まれ、、なんと今も続いていているらしい。
いわゆる老舗の中でも、技術に特化した会社を取り上げているのがこの本です。
まあ、1500年近く続いている会社があることも驚きですが、その会社が日本にあることも驚きです。
この本は、そんな古い会社がなぜ日本で起き、しかも今の世界の中で重要な製品を作ることが出来ているのかを探ります。
共通しているのは、本業、つまり自分たちが社会の中で何をすべきなのかをしっかり理解して実行していることと、苦しいときに投げ出さなかったことでしょう。
その意味では、出来るまでやれば出来ない事は無いと言う事は正しい。
大事なのは、それまで耐えられた、という事です。むしろ、耐えてでもやらざるを得なかった、という側面も紹介されています。
つまり、必然、。ということですね。最近はかっこよい言葉が飛び交いますが、この類の会社の人からは、そういう横文字言葉は飛び出さない。それもまた個性です。
ここに紹介される企業はどれも、長続きすることを目的とはしていない、ただ、その時その時の状況の中で、自分たちが生き延びる事に必死になった結果、今も続いているという現実がある。必死という時は必ず死ぬと書きますが、逆説的には、必ず死ぬ事を当然と思えば何でもやり遂げられるということかもしれない。
そして、どの会社にも職人がいる事と、企業本来の特徴からははみ出さないところで新しいことに挑戦していることも共通点。新しいというのは、むしろ社会状況の変化によってもたらされた新しいニーズが、それぞれの会社が持っていた、今風に言うならばコアテクノロジーを生かす事によって開拓する事であり、それはいわゆる老舗の味を、より進化させる不断の努力をベースにしている。
特に気になったのは、老舗は自分探しをする必要がない、という点。この為に悶々とする人も多い現代だが、何でもやってよいといわれると意外と困ってしまい、何も出来ずに探すだけ探して終わりという人も多いのではないだろうか。
老舗というのはコアミッションがすでに確立されているから、それを探す必要はない。そこを受け入れて、かつその範囲で新しい可能性を探ろうとすると実は非常に可能性が広がる、その点は注目できる。
ありきたりの言い方ですが、長く続くには理由がある。その理由を老舗と先端技術という切り口で著したこの本は、中々の本です。
