格差 | ZERO.blog

格差

最近格差社会ということが話題になっています。


阿部首相の再チャレンジ制度もそれがベースになっているし。


私としては、


格差の固定化と、最下層の人々の生活レベル向上があれば、


格差自体はあってしかるべきだと考えるのです。


社会的に成功した人が良い暮らしをするのは当然だし、


それによってがんばる人たちが出てくるわけですから。


ただそういう基本的な考えとは別に、


現状何がどうなっているのか、定量的に把握してはいなかったのです。


その辺を知っておかなければならないなあと思って、


読んだのがこの本。


橘木 俊詔
格差社会―何が問題なのか
現状の定量的なデータ、

教育費や雇用対策費が、


世界的にどの国ではどの程度使われていて日本ではこの程度、


といった数値を背景に、著者の意見と具体的対策が最後に述べられます。


日本は社会保障対策比率が先進国の中で際立って低いことが特徴で、


最低保障賃金も低い。


ここを改善することが、格差社会の問題を改善する方法だと述べています。



この本を読んで考えたのが、日本の景気刺激策です。


以前は景気刺激策として、


公共投資で真水で十何兆円とやったようですが、


その額を雇用対策、ここでは事業自体ではなく技術教育や再雇用支援体制の整備ですが、と、


教育費に回した方が、実際効果は高いだろうということです。


たとえば総額15兆円として、日本のGDPが約500兆円ですから約3%。


先進国の教育に対する公的支出が対GDP比で、


デンマークの8.4%を筆頭に多くは5%-7%、日本は4.1%です。


雇用関連支出は同様に、デンマークの約5%を筆頭に概ね3%-5%、日本は0.7%程。


アメリカは後者が、ドイツは前者が日本並みに少ない等ありますが、


日本がこの二点の公的支出が少ないことは際立っています。


公共投資という短期的な、その場しのぎの景気刺激策の効果が小さくなった事は、


1990年代後半以降の日本も経験しましたし、


それはケインズ政策の限界を指摘する経済学からもそうでしょう。


公共投資分のタイGDP比で3%のお金を、


教育と雇用関連支出に当てたら、それでも少ないくらいですが、


先進国の両者の支出にようやく肩を並べます。


景気というのは個人消費に牽引されるのが健全な形と思いますし、


個人消費は、今現在の収入自体ではなく、


今後の生活への安心感によって左右されているように見えます。


十分な試算があっても、寿命を全うするまでにいくらかかるか不安で、


消費よりも貯蓄に資産を回している老人はその一例でしょう。


となれば、教育と雇用対策によって、


個人のスキルと雇用の流動性があがれば、


生活への安心感が増し、消費の拡大につながるのではないでしょうか。


なにが健全な支出であり、投資か、ということです。