２人だけの夜に
～with my brother～
僕には たった一人だけ弟がいる
昨日 久しぶりに飲みに行った
そう 彼の接待のため 笑
→★←
彼は 僕より身長が10ｃｍも高いだけじゃなく
人としても 器がデカい 頭もキレる
今でも昨日のことのように鮮明に覚えてる
十数年前 中学生だった彼は
あの日の早朝 僕がその場所へそっと人目をはばかり歩み寄ると
親父の亡骸の枕元に ひとり佇んでいた
身体は 当時から人一倍大きかった彼だけど
まだ 小さかったんだ
瞳から流れ落ちるそれをすべて受け止められるほどの
大きな大きなうつわは持っていなかった
いや 本当は違うんだ
彼は ４つ上の僕なんかより 大きいそれをちゃんと持っていた
ただ ほんの一瞬だけ ヒビがはいっちゃっただけ
だって 彼は・・・・いや・・・・またいつの日か書くことにしよう
その６年後 家族で食卓を囲んだあと
母親は僕に笑顔でこう語りかけた
”苦労かけたネ”
あなたの弟が幼稚園の頃だったかな
『ねぇ ママ 幸せって何 !?』
こっちにおいで
そう母親が言うと 彼は彼女がいざなった
その温かい腕の中へと吸い込まれるかのように歩みを近づけた
”これが幸せって言うんだよ”
『ふ～ん』
まだ小さかった彼は そのまま瞳を閉じ 彼女の腕の中で眠ったそうだ
今 僕たちは あれから少し大人になり
『幸せ』 とは 『仕合せ』 であることを知った
僕だけじゃなく 彼もまた この何十年の間に
少しづつだけど しっかりと大切なものを胸に刻みながら 抱えながら
確かな糸を紡いできてくれている
本当に感謝している
ありがとう
そして 今日は もう一人 僕たちにとって大切な大切な人の忘れられない特別な日なんだ
また 書きます
赤ワイン２本 日本酒２本 ビール数杯
本当にお酒が大好きな彼
僕は いつものごとく
綺麗にカットされたレモンが入った重厚なロックグラスに満たさrたカンパリに
ソーダを幾度となく自ら注ぎ
大人の顔になったが 時折見せるあどけない彼の横顔を見つめていた
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