独検1級の二次試験を受けました。
ネットで探す限り、ほとんど情報がなく、受験したことのある知り合いもいない。
まあ、勢いで申し込んだ試験だし、1級は無理だろうと半ば諦めてたし、
実力だけで勝負!と思い、過去問3年分を見て(まじめにやってはいない)、二週間ほどスピーチの構成を考える練習をする自分なりの対策をしただけで試験に臨みました。
当日は、控室から試験室に案内されて部屋の前で待ちました。
ドアが開いて出てきたのは日本人の試験官の方、部屋の中ではドイツ人の試験官もいらっしゃいました。
まずは名前と受験番号を確認。
着席したらテーマを書いた紙を渡され、「3分間で4つのテーマから一つ選び、それについて意見を述べてください。」と案内される。
3分経ったら紙を回収される。
と、ここまではすべて日本人との日本語の会話です。
ここからは、ドイツ人とのやり取り。
「簡単に自己紹介してください」 名前、家族構成、仕事、ドイツ滞在期間などを話す。
自己紹介について特に質問はなく、
「ではテーマはどれにしますか?」 「環境保護のにします」
「では、スピーチをしてください」
・テーマの概要(環境保護のためにレジ袋は禁止すべきか)
・現況(日本ではたくさん使われて、海がプラスチック汚染されて生き物が死んでるとか。ヒトからもマイクロプラスチックが検出されたニュースで最近割とホットな話題ですよねとか。)
・pro(禁止すれば汚染がマシになる。資源の無駄使いも減る)
・contra(レジ袋メーカーが困る、買い物のときにレジ袋はやっぱり便利)
・自分の意見(禁止したほうが良い)
という構成で話しました。というかそのつもりでした。
実際は詰まりまくり、自分でも何いってるのかわからなくなりそうになりながらも
言い直してでも、ゆっくりでも、何とか文章を正確に最後まで言い切るようにしました。
引き続き試験官から質問。
日本の現状についてはどう思う?
環境保護のために日頃どんなことを心掛けてる?
自分が買い物するときは袋はどうしてる?
とかそんな感じでした。
質問については割とまともに答えられたけれど、スピーチがややグダグダになってしまったのが反省点。
うーん、落ちたな・・・。という手応え。
Goethe C1の口頭試験の時の方がはるかに上手に話せたと思います。
そして、結果。
何と合格でした!!!!
やっぱりギリギリでしたけどね。でもとっても嬉しいです。
振り返ってみて、よかったかなと思える点。
スピーチで気をつけたことは、C1でやったことと同じ。
・導入部分で相手の関心を引き、うまくテーマに入る
・長所・短所の両側面から議論した上で自分の意見を述べる
・Redesmittelを使い、大人な話し方にする
どうして↑のようにしたかというと、独検1級のレベルと内容に
「標準的なドイツ語を不自由なく使え,専門的なテーマに関して書かれた文章を理解し,それについて口頭で意見を述べることができる。」と書いてあるからです。つまり、「意見を述べる」ことがポイントと理解しました。
そして過去問を見ると、
Nehmen Sie Stellung zu einem der folgenden Themen und begründen Sie Ihre Meinung.
と書いてあります。
Stellungnahme(=Erörterung)をしなさいということなので、
Stellungnahme、Erörterungのやり方をネットで調べて練習してから臨みました。
Erörterungは、ドイツでは学校でやり方をきちんと習うそうです。
意見を述べるとは、いろんな観点から物事を見た上で判断を下し、説得力のあるものにするのが大事と、
ドイツ人の大学生に教えてもらいました。日本人にはあまり馴染みがないですね。
調べた中で特にわかりやすかったのは↓。
Stellungnahmeについて(Goethe Institute)
やり方がわかったら次は練習。
例題は↓に割とたくさんあります。
が、↑はテーマが大学関連に偏っていて、独検では今の日本社会でホットなネタが出そうなので、
ドイツ語で日本を紹介したものを読んで、Stellungnahmeする練習もしました。
これのGesllschaftは結構役に立ちました。
GoetheのB2やC1でもテーマについて意見を述べるというのは同じですが、Goetheでは触れないといけない点について指示があります。それに沿って話せば、Erörterungになるようにできています。そして準備時間も長くもらえるし、テーマの紙にメモを作成できます。
一方、独検はテーマの紙は回収されるし、メモも不可。どんなことに触れないといけないかという指示もなく、自由度が高いです。
私はErörterung=きちんと構成された説得力のあるスピーチをするという方針で、monologで喋り続けました。話し終わるまで試験官は止めませんでした。
もしかしたら、意見や理由を短く述べて、それについての試験官からの質問を待ち、キャッチボールしながらErörterungにするという手もありなのかもしれません。どっちが良いのかは不明です。
私は、ドイツで受けたドイツ語の試験が全てスピーチ形式だったので、それにならいました。
同日に受けた準一級は形式ばらず、文法もあまり気にせず、会話のリズム感重視でおしゃべり感覚で話したら、得点率は一級より低かったです。一方、明らかに準一級のときよりリズム感が悪く、言い直しも何度もしたのに、大人の話し方を心がけた一級は得点率が高かったです。なので、形式重視できっちり話すという作戦は当たったのかなと思ってます。
あと、自己紹介に対して色々質問されるのかなと思って、自分自身のことについては話す内容を整理してあったのに、何にも聞かれませんでした。試験官によっては聞くのでしょうか。
ちなみに1級の2次試験を受ける方の年齢層はかなり高いです。
20代は少数派、40代〜60代がボリュームゾーン、もっと上の方もいらっしゃるようでした。みなさん頑張ってるのね、と励みになりました。
ちなみに、独検は各級の最年少・最年長合格者と優秀者(1位〜3位)は後日表彰され、記念品がもらえるそうです。
1級の1位はルフトハンザのドイツ往復航空券がもらえるらしいです!すごいなー。
もっと勉強して航空券目指して再受験するのもよいかも(笑)