先日、独検を受けました。

 

ドイツにいると縁遠い独検ですが、日本ではドイツ語の資格というと独検しかありません。

GoetheのC1を持っているとか言っても日本では通じないので、やっぱり独検もとっておこうかなと。

 

独検は年2回の開催ですが、6月は2、3、4、5級のみ。12月は1、準1、2、3、4、5級の全てが受けられます。

で、1級と準1級を受けてみました。

 

それぞれ過去問を2年分やっただけで、かなり準備不足で臨みました。

 

ドイツで受けるGoetheやTELCの試験に比べると、求められているものが全然違ったのが面白かったです。

GoetheやTELCは使えるドイツ語、独検はお勉強の対象としてのドイツ語という感じです。

そして、GoetheやTELCもschreibenで自分の考えを述べる、文章構成を考えるってのが大事な要素なのですが、独検には一切ありません。

 

概要と感じたことを書いてみます。

 

準一級

・GoetheのC1でも出ないような慣用表現が問われる。が、問題数少ないので、できなくても他ができれば大丈夫。

・問いは日本語

・選択問題がほとんど。文法問題で単語を書く問題はちょっとだけあるが、文章を書く問題はない

・長文問題は全般的にそんなに難しくない。特にグラフを読み解く問題は、GoetheC1のSchreibenで書いていたような文章を読んで、選択問題をとくだけのでかなり簡単に感じる。

・会話形式(インタビュー)の空所補充問題は意外と難しい。って、そもそもインタビュー(話言葉)のスクリプトを並び替えさせるって変な問題だよなとちょっと思う。

・聞き取り試験はGoetheC1とかやってたら超余裕。ゆっくりだし、複数回聞けるし。聴きやすさとしてはB1くらい。内容は学術的なのでレベルはB2くらいだと思う。

・全般的に語彙、知識、読む力に偏重。真面目に勉強すれば合格すると思うけど、暮らしていくために必要なドイツ語とはまた違う感じ。準一級もってても全然話せないとかクレームのメールも書けないとかあると思います。

逆に、ドイツで暮らしててかなりドイツ語話せますーいう人でも、新聞や雑誌読んでないと読解はできないかも。

 

一級

・こちらも慣用表現が難しいのが出る。ドイツの語学学校でも慣用表現は結構習ったのだけど、独検で出るのは知らないやつばっかり。何でだろ?

・和訳、独訳あり。いかにも訳しにくいよねぇーーっていう文章が出るので難しい。

・長文読解は準1級に比べて、語彙が難しい。そして、内容がかたい。さらに抽象的というか、論旨があまりはっきりしてない。

・聞き取りも読解と同じ。

・読解はC1より難しいと思う。語彙や文学的な表現が特に。

・自分の言葉で自由に書けるC1に比べて、決まった日本語をドイツ語に訳すというのは自由度がなくて難しい。ドイツ語→日本語は、意味はなんとなくわかるんだけどねーで日頃済ませているので、正確に日本語で表現することに苦労。日本語能力も問われているような…。

・とにかく読む能力と日本語⇄ドイツ語の変換能力が問われる試験。言い換えれば、主体的に文章を作れなくても受かる。ドイツの学校では、伝えたいことを表現するためにコンテンツと文章構成、表現、流れを考えないといけない作文が最終目標。そのために文法や語彙を学ぶわけで、文法や読解ができても作文できなきゃ意味ないよ、くらいのノリだったのに、独検には全く必要なし。ちょっと拍子抜けというか、ガッカリというか。

自分の意見や主張を大事にするドイツと、そんなの必要ない日本と。お国柄がでるんだなあ。

とにかく、日本語⇄ドイツ語を正確に変換する力が私にはまだ足りないことを実感。

 

正答は翌日HPに掲載されるので確認しました。

準1は確実に合格してるはず。

一級はどうでしょう、和訳独訳で何点もらえてるかわからないので何とも言えないです。

 

そして、後日。

一次試験の結果通知が来ました。

自分の得点と合格最低点がわかります。

 

準1級、めでたく余裕を持って合格。

 

1級、こちらも合格。ただし、ギリギリ・・・。

 

2次試験(口述)については別記事で。