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横浜紅葉坂シネマ倶楽部

映画・音楽の感想を中心に・・・(注:ネタバレあり)


横浜紅葉坂シネマ倶楽部

【 制作 】 2009

【 監督 】 マイケル・スピエリッグ、ピーター・スピエリッグ

【 出演 】 イーサン・ホーク、ウィレム・デフォー 他

【 時間 】 98

【 内容 】

1匹のコウモリから発生したウィルス感染によって、

人類のほとんどがバンパイアになってしまった近未来。

食糧となる人類の世界的な減少、代用血液の開発失敗により、

バンパイアの世界では”食糧危機”が深刻化していた。


バンパイアは過度の血液不足に陥ると前頭葉に異常が発生し、

倫理・感情・言語能力を失った狂暴な「サブサイダー」となる。

しかも、人間の血液不足によりバンパイア同士で血を吸うと、

このサブサイダー化がさらに促進されてしまうため、

サブサイダー増加による被害も大きな社会問題となっていた。


こうしたなか、ブロムリー・マークス製薬に勤める血液研究者、

エドワード・ダルトンは、人間を食糧とすることを好まず、

代用血液の研究に励んでいた。


ある日、エドワードは逃亡中の人間と交通事故を起こし、

彼らを助けたことがきっかけで、

1度はバンパイアになったものの再び人間に戻ったライオネル・コーマック、

通称”エルビス”と出会うのだが・・・


【 感想 】

こちらも設定としてお馴染みの「吸血鬼」モノ。

しかし「バンパイアの数が人間よりも多くなった世界」、というのは珍しい。

もはや町から駅、住宅地から会社まで、みんなバンパイアである。


不死で無敵な感じの「吸血鬼」モノを観る度に、

「絶対、バンパイアがもっと増殖するはずでは?」と思うことはあったが、

この作品では人間は生息率5%の「絶滅危惧種」になっていて、

その血液は高値で取引され、入手困難でプレミアが付いてたりもする。

偶然バンパイアから人間に戻ったエルビスの話から、

エドワードはバンパイアにとって禁断の「直射日光」そのものが、

「治療法」であると発見する。

もともと、エドワードは最後まで人間であり続けたいと思っていたが、

兄の身を案ずる弟フランキーによって、

無理矢理バンパイアにさせられてしまった経緯があった。

そのため、自分の体で実証実験を行い、

晴れて「人間」に戻ったエドワードは、

「代用血液」よりもこの「治療」こそが必要である、と確信する。


さらに、バンパイアの弟フランキーがエルビスの血を吸った結果、

フランキーが人間に戻ったのを目の当たりにして、

1度バンパイアになってから人間に戻った者の血を吸うと、

バンパイアが人間に戻るという「治療法」を発見する。


ところが、皆が皆バンパイアから人間に戻りたいと思っている訳ではない。

例えば、社長のブロムリーは不治の病で助からないはずだったところ、

感染によってバンパイアになったことで生きられているし、

「代用血液」の供給を独占すれば、ビジネスとしても莫大な利益が見込める。

いま存在するバンパイア社会の秩序・システムを壊したくないし、

当然、既得権益の方が大事なのだ。


しかし、結局は「治療法」のことを知らずエドワードの血を吸って人間に戻り、

今度は他のバンパイア達に血を吸われて死んでしまう。

こうなるとオセロが次々とひっくり返るように、

血を吸ったバンパイアが人間に戻り、また別のバンパイアにその血を吸われ、

また別のバンパイアが人間に戻るという、「治療」が始まる・・・


作品としては、

食物連鎖が崩壊したバンパイア世界を通した人類への警鐘、といったところか。

人間を貪り尽くすバンパイアを見せて、「うわぁ、怖い・・・」と感じさせつつ、

そっと後ろから肩を叩き、

「じつはあなた達(人間)の方がすごいんですよ」とささやく感じ。


18世紀の産業革命以降、人口は凄まじいペースで増加している。

あくまでの推計でしかないが、


1900年:16億人

1950年:25億人

2011年:70億人


国連予想では今世紀末までに100億人を突破するとのことだが、

地球が持ちこたえられなくなるのが先か、人間が絶滅するのが先か・・・

などと考えてしまう作品だった。


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