【 制作 】 2007年
【 監督 】 ロバート・ゼメキス
【 出演 】 レイ・ウィンストン、アンソニー・ホプキンス、
ジョン・マルコヴィッチ 他
【 時間 】 114分
【 内容 】
8世紀頃に作られたとされる英文学最古の叙事詩、『ベオウルフ』を題材に、
役者の演技をモーションキャプチャーによってCG化した、
フル3DCGアニメーションの映画作品。
デネ王のフロースガールは、戦の勝利を祝うための壮麗な館、
ヘオロットを築き、兵士達と連夜祝宴を開いていた。
しかし、その騒々しい音は呪われた巨人・グレンデルの怒りを招き、
宴が終わり寝静まった深夜、突然グレンデルの襲撃に遭い、
フロースガールは大勢の部下を無残に殺されてしまう。
そのため、フロースガールは館を封印し、歌も酒宴も禁止にする。
一方、イェーアトの戦士ベオウルフは旅の吟遊詩人からその噂を聞き、
怪物グレンデル退治のため、仲間と共にフロースガールのもとを尋ねる。
ベオウルフの説得により、
フロースガールは封印した館で再び酒宴を開き、
巨人グレンデルをおびき寄せるのだが・・・
【 感想 】
フルCGとは思えないほど、映像的にはよくできている作品。
アンソニー・ホプキンスやジョン・マルコヴィッチ、アンジェリーナ・ジョリーなど、
実写かと思ってしまうくらい実物に似ている。
アクションシーンに関してもフルCGの利点を存分に生かしていて、
巨人グレンデルやドラゴンなどが登場しても、
そもそも全てがCGなので「唐突な違和感」がない。
ただ、ストーリーは掘り下げ不足なのか、
全体的に「なんで?」と感じる部分が多く、
これといって面白いものではなかった。
そして、この作品を見て最も疑問に思ったのは、
これだけのキャスティングでありながら、
全編CGにする理由が一体どこにあったのか・・・という点。
確かにCGはよくできてはいるが、結局はCGでしかない。
この作品には「声」の出演はあっても、
表情や間合いなど、役者の「演技」に関しては結局、
ゼロに近いような気がする。
また、冒頭で「唐突な違和感がない」と書いたが、
裏を返せば「作品全体を通して常に妙な違和感があった」とも言える。
このあたりは、未だにフルCG作品が越えられない「壁」のように思う。
ただ、もっと時代が進んで技術が進歩すれば、
「その役者を使わずに、その役者で映画を作ることができる」
ようになるかもしれない・・・
なんてことを考えずにはいられなかった。
さらに、残された映像や音声からその人の表情やしぐさ、
声の抑揚などを何らかの形で数値化し、データに取り込んで、
すでに他界した過去の名優達が新作で復活・・・
なんてこともあるかもしれない。
もっと言えば、そうした個々の役者のCG基礎データが販売され、
個人がパソコン上でストーリーや背景、台詞を自由に打ち込み、
気軽に映画を製作できるような時代がやってくるかもしれない。
フルCGの是非は別として、
今後の可能性を感じさせる作品ではあった。
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