『 フローズン 』 | 横浜紅葉坂シネマ倶楽部

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映画・音楽の感想を中心に・・・(注:ネタバレあり)


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【 制作 】 2010年

【 製作 】 ピーター・ブロック

【 出演 】 ケヴィン・ゼガーズ、、ショーン・アシュモア、

        エマ・ベル 他

【 時間 】 93分


【 内容 】

冬山のスキー場で、リフトに乗ったまま空中に取り残されてしまった3人の若者の話。


毎年恒例の冬山にやって来た親友のダンとジョー。

しかし今年はダンの彼女、パーカーも一緒についてきたため、3人の関係はやや微妙な空気。


初心者のパーカーにダンは付きっきりとなり、思う存分滑りを満喫できないジョーは苛立ちを募らせる。

そんな2人に申し訳ないと気を使うパーカーに、ダンとジョーもまた気を使ってしまう。


そして3人はリフト作業員に無理を言って、営業時間終了間際にリフトに乗せてもらうが、手違いから3人を乗せたままリフトは停止されてしまう。


助けを呼んでも誰にも気付かれず、次の営業再開は1週間後という絶望的な状況の中、3人は何とか脱出を試みるのだが・・・


【 感想 】

いわゆるシチュエーションホラーもの。

一見、スキー場のリフトに取り残されるという「何とでもなるんじゃない?」と言う設定ではあるが、このリフトが結構な高さのところで止まってしまう。

ちなみに携帯は3人ともロッカーに置いてきて持っていない。


当初、3人はじっと助けを待つのだが、次第に恐怖と焦燥によって、苛立ち、言い争いになる。

最後の見回りに雪上車がやって来るが、必死の叫びも空しく3人は気付かれないまま・・・


状況を打破しようとダンが意を決してリフトから飛び降りるが、着地の衝撃で足の骨が飛び出るくらいバキバキに骨折して動けなくなってしまい、事態はさらに悪化する。


ジョーはワイヤーを伝ってリフトの支柱から降りようとするが、あっという間にワイヤーで手を擦り剥いてしまい、結局リフトに戻ることしかできない。


そんな中、誰もいなくなったスキー場にオオカミの群れが現われ、身動きのできないダンは生きたまま、オオカミ達の餌にされてしまう。

最愛の恋人を失い絶叫するパーカーと、パーカーに凄惨な光景を見せないよう、必死に抱きしめることしかできないジョー・・・


2人はリフトに乗ったまま吹雪の一夜を明かすが、顔や指先を凍傷でやられてしまう。

今度はジョーが意を決して、再びリフトのワイヤーを伝って、何とか支柱へと辿り着くことに成功。

支柱からハシゴで地上に降りることに成功するが、再びオオカミ達に襲われる。

やっとのことでスノボーを履いたジョーはオオカミに追われながらも、「すぐに助けを呼んでくる」と山を降りていく。


一人リフトに取り残されたパーカーだが、一向に助けは現れないまま、やがてリフトのワイヤーが切れてようやく地面に降りることができた。

体力を失い、凍傷にやられ、リフトから落ちた衝撃で足を痛めたパーカーは、息も絶え絶えの状態で雪上を這うように力なく滑り下りていく。

途中、ジョーの無残な死体とそれに喰らい付くオオカミ達を発見するが、オオカミ達は食欲を存分に満たしたのか、パーカーを襲おうとはしてこない。

オオカミから目線をそらさず、じっと黙って凄惨な現場の脇を通り過ぎるパーカー。


瀕死の状態でようやく道路に辿り着いたパーカーは、道端で気を失う。

そして、ついに通り掛かった車に救助され、病院へ向かうところで物語は終わる。


観終わった後、どうするのが正解だったのかなぁと考えてしまった。

やっぱりケーブルを伝って支柱から降りるのが一番良かったのだろうか。

それにしても、『ソウ』シリーズのピーター・ブロック製作ということもあって、何とか生き残ったパーカーの今後が心配になってしまうくらい、グロくて残酷な映像のオンパレードだった。

ただ最終的には敵はオオカミだったので、邦画としては成立しないだろうなぁ・・・