『 ナインスゲート 』 | 横浜紅葉坂シネマ倶楽部

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映画・音楽の感想を中心に・・・(注:ネタバレあり)


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【 制作 】 1999年

【 監督 】 ロマン・ポランスキー

【 出演 】 ジョニー・デップ、フランク・ランジェラ 他

【 時間 】 133分


【 内容 】

主人公は、業界では悪名高い書物ブローカーのコルソ。

ある日、彼は「悪魔」に関する本の収集家であるボリス・バルカンから、「9つの門」という1冊の本を見せられる。


この本は1666年、ベネチアでアリスティデ・トルキアによって書かれたもので、悪魔が書いた書物と言われる「デロメラニコン」から9枚の版画を複製したとされ、著者のトルキアは異端審問で作品と一緒に火あぶりにされたという、いわくつきの書物だった。


現存しているのは世界に3冊のみであり、3冊はそれぞれ著名な3人の収集家、ファルガス、ケスラー、テルファーが所有していたが、バルカンによれば彼が所有している本は、テルファーが自殺する前日に買い取ったものだという。


バルカンは「9つの門」が「悪魔を呼び出す手引書」であり、本物は3冊のうち1冊だけであると信じていた。

そして、コルソに残る2冊との比較・調査を行い、本物が見つかった場合には金も手段もいとわないので手に入れるよう依頼。

多額の報酬とともに、自らが所持する「9つの門」をコルソに預ける。


「(大事な本を)手元から話していいのか?」と尋ねるコルソに、バルカンは答える。

「金で動く男がいちばん信用できる。」


かくして、本の探偵コルソは「悪魔の書物」の謎を解き明かす旅へと向かうのだが・・・


【 感想 】

扱うテーマ、ストーリー、映像、音楽など、全編ミステリアスな雰囲気が漂う作品。

個人的にはジョニー・デップの演技が控え目かつ味があった頃のように感じる。


コルソに妖しい魅力で迫ったかと思えば噛み付くテルファー夫人や、テルファーに「9つの門」を売ったセニサ兄弟、冒頭からコルソにつきまとう謎の美女など、登場人物もかなり謎が多く個性的。


本を預けた親友のバーニーが「9つの門」の版画の1つと同じ形で殺されていたり、頭上の工事現場が突然崩れたり、訪ねたファルガスやケスラーが次々と殺されたり、度々窮地に陥るコルソだが、その度に謎の美女が涼しい表情で彼を助ける。


やがて9枚の版画に隠されたLCF(ルシファー)の文字から、1冊に3つずつ本物の版画があり、どれか1冊だけが本物ではないということを知るコルソ。

古城で9枚のルシファーの版画を並べ、、悪魔を呼び出そうとするバルカンだったが、何故か失敗し、自らまいたガソリンで燃え上がり焼死してしまう。


バルカンの車で城を後にしようとするコルソだったが、突然謎の美女が現れ2人は抱き合い、バルカンが失敗した理由が最後の版画が偽物だったためであると知るコルソ。

途中のスタンドで謎の美女は姿を消し、ワイパーに挟まれたメモに「セニサ兄弟」の文字。


コルソが再びセニサ兄弟の店を訪れると、店はたたまれており業者が片付け中。

たまたま業者が動かした本棚の上から、1枚の紙がコルソの足元へと落ちてくる。


その紙こそ本物の最後の版画であり、謎の美女が古城へといざなう絵柄だった。

版画と重なるように夕暮れの古城に向かって歩くコルソの後ろ姿で物語は幕を閉じる。


何となく、結果として悪魔に選ばれたのがコルソだった、ということは分かるのだが、特に説明もヒントもないまま終わってしまうので何とも言えないところ・・・


まあ謎は謎ということで、全体的な雰囲気を楽しむ作品か。