「ちょっとバックパックの中調べさせてもらっていいですか?」 「どうぞ」
係官はバックパックのチャックを開けながら「棒みたいなものが写ったんですけどね~」「あ~これですか」と一番上のチャックを開けて係官に見せた
「あ~警棒かぁ、これは我々の国の法律じゃ許されてないんですよね」 絵えええええええええええええええええええええええええええええええええ
まさかそんな事とは知らずにメモを取ろうとしてる人にポールペンを差し出すように気軽に警棒を手渡していた
「ポケットの中にあるものも全部出してみてもらえますか」といわれ、ごそごそとポケットをかき回して出てきたのが、どっかの丸まってぐしゃぐしゃになったレシート数枚とマレーシアのコイン、歯磨き粉に正体不明のゴミとライター
ライターをみてすかさずタバコは持っているか聞いてくるが、持っていないと口頭で言うと、そこはそれ以上は何も言ってこない。意外と甘い部分もあるようだ
「ちょっとこっちに来てもらえますか?」これがかの有名な別室送りというやつだ?
俺は別室に連れていかれ、法律で禁止されてる事の簡単な説明を受けて、椅子の上で親に叱られたばかりの子供のようにしょんぼりと待機させられた
俺が待機してる間、彼らは色んなところに電話をかけ、時にはマレー語で時には英語で関係各所に報告をしている
実は今から4時間前にマレーシアの町マラッカを出たばっかで、ちょうどシンガポールの国境を越えようとしていたところだった
タマンネガラから電車一本と4本のローカルバスを乗り継いでやっと着いた世界遺産の町マラッカ
さも苦労したように書いてるが、英語が通じるので乗り換えはスムーズにこなせ全く問題ない、ただ乗換えが面倒なだけだ
マラッカの日記は特に書くこともなく端折らせてもらったけど、別につまらない町と言う訳ではない
一応世界遺産に登録されてるだけあって、町並みは綺麗でちょっと高いところに行けばマラッカ海を望める。俺はここに4日間滞在してゆっくりした
人によって賛否両論ある町だけど、俺は結構気に入っていた
ただやる事が特になく、アクティブにというよりは、のんびりと過ごす町なんじゃないかと思う
俺の旅行記は観光ではなく旅の日常や出来事にフォーカスしているので、特に何も起らなければ書くことも無いのである
マラッカの歴史はウィキでも見ればわかるし、観光情報はいくらでも他のブログで書かれてるので、ここでは触れないでおく
10分が経ち20分が経つが一向に待機させられたまま、彼らは書類を相談しながら仕上げていく
30分が経つ頃さすがに不安に感をじて「これはそんなに大きな問題なんですか?」「そうでもないですよ、心配しないで下さい」とあしらわれる
なんせこの国は昔はゴミ捨てただけで数十万の罰金取られたりするような国である、多分今でもそうだと思うけど。他にもタバコは一本でも申告無しで持ち込むと高い罰金を取られる
だから俺が心配になるのも無理の無い話である
大きな問題にはならないとは言われても、高い罰金を課されでもしたら節約しながら縦断してきたマレーシアの旅が無駄になってしまう。それこそ俺にとっては大きな問題だ
やがて向いの建物から左足を引きずりながら一人の警官がやってきて、係官がその警官に仕上げた書類と警棒を引き渡し、俺はその警官について行くようにいわれる
その警官に連れて行かれたのが多分警察署?
するとまたそこで他の警官が書類の確認を始め俺はその間ベンチに座って待たされる
同伴した警官が気をつかっていろいろ話しかけてくる
俺は電車やバスの乗り方と目的地までの行き方などを尋ねて時間を潰し、書類が出来た頃にまた別の若い警官に呼ばれ彼の前の椅子に座らされた
法律で警棒の持ち歩きは禁止されている事、警棒は没収処分になることなどのもろもろの説明をうけて、書類にサインをしてお咎め無しとの事であった
シンガポール警察の対応は非常に丁寧で、紳士的であった
俺はあまり道を聞く以外に東南アジア諸国の警察と関わったことは無いけど、他のツーリストからの話だと、とても先進国の警察とは比べ物にならないくらい対応は酷いし、なにかあっても全く頼りにならないと
シンガポールは東南アジアン諸国の中では唯一の先進国だし、やはりこういう所はさすがである
しかし、こうして文章に書くと短いけど、俺はかれこれ2時間近く拘束されていたのである。拘束と言ってもただ椅子に座ってただけだけど
お陰でインターナショナルバスも行っちゃったし、時間がちょっと余ったらどっか観光しようと思ってたんだけど、まっすぐ電車に乗って港を目指さないといけなくなってしまった
このまま次のインターナショナルバスを待って、終点で電車に乗り換えてヲーターフロントでフェリーに乗り換えて、シンガポールからすぐのインドネシアのバタム島に向けて、その日のうちにシンガポールを出国
そしてまたトラブルは発生するのであった

