今まで表面しか知らなかった海

地球の四分の三は海だといわれている

その海の中を自由に動けるようになれば世界が一気に広がる

そう思ったのだがダイビングを始めたきっかけだった

今日からセカンドのライセンス、アドバンスの講習が始る

内容は全部で5本のダイブを2日に渡って行う

ディープダイビング ナイトダイビング 水中スケッチ 中性浮力の練習 ナビゲーションダイビング

まず一本目が中性浮力の練習

肺のコントロールで浮きもしなければ沈みもしない浮力を保つ

とはいえ、この頃には既にコントロールが出来るようになっていたため、練習は5分で終わり、あとはインストラクターにくっついて水中探索

水中スケッチは水中で魚をスケッチするというタダの遊びのようなダイブ

俺に絵を書かせるとは、愚かな行為である。魚を書いても鉛筆にしか見えないんだから

ナビゲーションダイビングは難しい

コンパスを使って約30メートルの正方形を水中で描くんだけど、とにかく視界が悪くて、一メートル先くらいまでしか見えない

だから距離は足を蹴った回数で計算して、後はコンパスに頼って正方形を描いていく

しかしである、コンパスを見たり中性浮力を保ったりといろいろ考えていると何回蹴ったか忘れてしまって、行き過ぎたり足りなかったりで、もといた場所に戻って来れない

まあ出来なくてもただの講習だからどんどん先に進めるんだけど

そして二日目はディープダイビング

40Mの深さまで潜るこのダイビングを、最初は怖いと思っていた

ダイビングでは深い震度からの急浮上は死のリスクを伴う

つまり40Mの深さでなにかあってパニックを引き起こして過呼吸なんかになったら、進むも地獄退くも地獄という状況に陥るのだ

もし急浮上して減圧症なんかにかかったら、病院の加圧ルームに数時間閉じ込められる上に、数十万のコストがかかる

つまり死ぬも死なぬも地獄である

故に少々ビビッタ

でも実際潜ってみると、上を見上げてもどこが水面なのかわからない深い海の中

本来人が存在することが出来ないその場所にいるって言うだけで、何か特別な事をしているような気がしてくる

海の中では空気を吐き出すボコボコと言う音しか聞こえないのに、陸より複雑な風景が広がっている

太陽の光が殆ど届かない海の底

テレビのディスプレイや写真で見る海の底とは全然違う

ナイトダイビングも同じように見たこともない風景が海の底に広がっていた

トーチの光を頼りに珊瑚の迷宮を探索した

中性浮力を保ちながら進まないと確実にガンガゼ(でかいウニ)に突き刺さる

まだ初心者の俺には大分リスキーな迷宮だったけど、それにも代えがたい、夜の楽園へと海が招待してくれた

これでアドバンスコースは終了

大きく広がった自分の世界

それ以上に大きく広がっている世界の海

これから自由にその海を探索できると思うと、旅の楽しみも一つ増えた事になる


講習終了後、宿代をケチってテントで野宿したまではいいのだが

急に夜熱がでて、しかもテントの中は外より蒸し暑くなり地獄

しかし外で寝ると蚊にボコボコに刺されてこれまた地獄

ここでも行くも地獄退くも地獄

超辛いんですけど・・・・この蒸し暑さ 息苦しさ そして高熱!!

これが旅か!! これが旅ってやつか!  これが旅なのかって聞いてんだよ!!

旅なんてこの世から消えてなくなっちまえ

旅してるやつら全員今すぐ国に帰りやがれ!!


そんなわけで暫く旅をお休みします

お休みして何するのかはまた次の機会で