なぜこんな危険な乗り物で長距離移動をしなくてはならないか?
バンカーボートをご存知だろうか
写真のようなボートの事で、船の幅が細く不安定なために、船の側面から突き出ている木の棒のようなものでひっくり返らないようにバランスを取っているのだ
そもそもこのボートは諸島の多いフィリピンにおいて、アイランドホッピングなどの1時間以内の短い移動に使われるのが一般的なのだ
なぜならバンカーボートはしばしば転覆や沈没を繰り返している非常に信頼性のない乗り物
短い距離なら本島から近いし、仮に沈没しても救助が来るのが早いし、ライフジャケットを着てれば自力でなんとかなりそうなものである
しかし、これで長距離移動と言うのは考えられない
フィリピン人の公共の足かとも思ったが、エルニドからコロンまで1800Pと航空券より高い料金を考えると、完全に観光客向けの乗り物である
チケットを買うときはバンカーボートではないと聞いていたのだが、どう見てもバンカーボートにしか見えない
強いて言えば、諸島巡りに使われているボートより気持ち大きいかなと言うくらい。だから彼らはこれをバンカーボートと呼ばないのかもしれない・・・・
まぁバンカーボートと知ってても選択の余地は無かったのだが
船というかボートの印象は、北朝鮮の脱北車がのってくる密航船に非常にそっくりである。瓜二つである
この日の乗船者は、中国人3人 ロシア人8人 フィリピンの母子3人 そして日本人1人
この表記だけを見ても密航船としての条件を満たしているような気がする。。。実に怪しい
保安員のチェックが済み、彼らが降りていったらいよいよ出発。はなから若干傾いてる船がそろそろと気だるそうにエンジンを始動してナメクジのように動き始めた。海水の塩に負けて沈まないといいのだが
出発すると、3人いる船のクルーの一人がおもむろに船首にある蓋を開け始めた
するとどうだろうか、真っ暗な船底の倉庫からフィリピン人男女2人が現れたのだ
これには一同苦笑い。。。。やっぱり密航船であった
保安員が出て行くのをずっと船底で待っていたのであろう。しかし、彼らはいつからあの真暗で狭い船底に潜んでいたのだろうか?もはやギャグである
こうして我々の密航船はコロンに向けて9時間の船旅に出発したのである
少しずつ小さくなっていくエルニドの村、少しずつ大きくなっていく船の揺れ、少しずつ入ってくる水の量が増える俺の密航船!!
基本的にはエルニドからコロンまでは諸島続きの航路をとるので波は外洋でも比較的穏やかなんだけど、島が遠くなると波が高くなってくる
波が高いと小さいボートはもろに煽りを受けるので、縦に揺れまくる
波の高さは高いときで3M近くあるから、船も一緒に3M程浮き上がってそのまま落ちる。フライングカーペットをご存知だろうか・・・・そんな感じである。たまに内臓を持っていかれる感覚があるのも気のせいじゃ無いのかも知れない
アトラクションとしては楽しいが、フライングカーペットはせいぜい3分程度、俺たちの密航フライングカーペットは9時間である。しかも安全の保証はない
バッシャーんと波が船に入ってくる
俺の席は船首に近く、一番波を被りやすいのだ
だから多分誰も座ろうとしなかったのだ
ロシア人の集団は後ろに。彼らはこのフライングカーペットの特性をよく知ってたんだろうな
最初は柄杓で水をぶっ掛けられてるような量からバケツに変わり、酷くなるとバスタブをひっくり返したような水を頭から浴びる
流石にこれには耐え切れなくなった俺は、席をベンチから通路のど真ん中に移動して、ライフジャケットをソファ代わりにして寝転がってやった
凄い邪魔だけど誰も文句を言わない。それは海水を浴びてびしょびしょになった俺が可哀想だと思ったからに他ならない
俺はこの世で一番とは言わないまでも、少なくともこの密航フライングカーペットの中で一番可哀想な乗員だったのは間違いない
昼になると犬の餌のような昼食が配られるが、この揺れでまともに食えるはずが無い
肉の塊が俺の手の上でまだ生きてるかのごとくぴょンぴょンと跳ね回る
船の揺れに合わせて口に放り込むのだ
こんな技術がついても何の役にも立たない。日本に帰ったらフライングカーペットに乗って、皿に乗ったピーナッツを箸でつまんで食べるパフォーマンスでもやってやろうかな
通路に移動してからは波を直に被る事は無くなったんだけど、揺れは相変わらず
酔ってる人が一人もいないのはある意味凄いかも
むしろロシア人たちはこの状況を楽しみ始め、一番揺れる船首に水着で寝転がって日向ぼっこを始める始末
それもすぐに大量の海水を被って慌てて船内に逃げ込んでくるんだけど
船の運転席をみると錆で今にも折れそうな操舵と、エンジンスタートキーしかない非常にシンプルな造り
間違いなく、この旅出て以来、一番危険な乗り物に違いない
フィリピン人の友達にも、自分が可愛ければ、ボートでの長距離移動は辞めておけと注意を受けていたのだ
こうして日記に書いているという事は、無事着いたという事だけど、もう二度とバンカーボーでの長距離移動は御免である
いけない密航者の彼
ちなみにコロンにはセブやマニラからも飛行機が出ているので、コロンだけが目的の人は飛行機を利用する事を強く勧めます
それでは良きラブライフを!!
バンカーボートをご存知だろうか
写真のようなボートの事で、船の幅が細く不安定なために、船の側面から突き出ている木の棒のようなものでひっくり返らないようにバランスを取っているのだ
そもそもこのボートは諸島の多いフィリピンにおいて、アイランドホッピングなどの1時間以内の短い移動に使われるのが一般的なのだ
なぜならバンカーボートはしばしば転覆や沈没を繰り返している非常に信頼性のない乗り物
短い距離なら本島から近いし、仮に沈没しても救助が来るのが早いし、ライフジャケットを着てれば自力でなんとかなりそうなものである
しかし、これで長距離移動と言うのは考えられない
フィリピン人の公共の足かとも思ったが、エルニドからコロンまで1800Pと航空券より高い料金を考えると、完全に観光客向けの乗り物である
チケットを買うときはバンカーボートではないと聞いていたのだが、どう見てもバンカーボートにしか見えない
強いて言えば、諸島巡りに使われているボートより気持ち大きいかなと言うくらい。だから彼らはこれをバンカーボートと呼ばないのかもしれない・・・・
まぁバンカーボートと知ってても選択の余地は無かったのだが
船というかボートの印象は、北朝鮮の脱北車がのってくる密航船に非常にそっくりである。瓜二つである
この日の乗船者は、中国人3人 ロシア人8人 フィリピンの母子3人 そして日本人1人
この表記だけを見ても密航船としての条件を満たしているような気がする。。。実に怪しい
保安員のチェックが済み、彼らが降りていったらいよいよ出発。はなから若干傾いてる船がそろそろと気だるそうにエンジンを始動してナメクジのように動き始めた。海水の塩に負けて沈まないといいのだが
出発すると、3人いる船のクルーの一人がおもむろに船首にある蓋を開け始めた
するとどうだろうか、真っ暗な船底の倉庫からフィリピン人男女2人が現れたのだ
これには一同苦笑い。。。。やっぱり密航船であった
保安員が出て行くのをずっと船底で待っていたのであろう。しかし、彼らはいつからあの真暗で狭い船底に潜んでいたのだろうか?もはやギャグである
こうして我々の密航船はコロンに向けて9時間の船旅に出発したのである
少しずつ小さくなっていくエルニドの村、少しずつ大きくなっていく船の揺れ、少しずつ入ってくる水の量が増える俺の密航船!!
基本的にはエルニドからコロンまでは諸島続きの航路をとるので波は外洋でも比較的穏やかなんだけど、島が遠くなると波が高くなってくる
波が高いと小さいボートはもろに煽りを受けるので、縦に揺れまくる
波の高さは高いときで3M近くあるから、船も一緒に3M程浮き上がってそのまま落ちる。フライングカーペットをご存知だろうか・・・・そんな感じである。たまに内臓を持っていかれる感覚があるのも気のせいじゃ無いのかも知れない
アトラクションとしては楽しいが、フライングカーペットはせいぜい3分程度、俺たちの密航フライングカーペットは9時間である。しかも安全の保証はない
バッシャーんと波が船に入ってくる
俺の席は船首に近く、一番波を被りやすいのだ
だから多分誰も座ろうとしなかったのだ
ロシア人の集団は後ろに。彼らはこのフライングカーペットの特性をよく知ってたんだろうな
最初は柄杓で水をぶっ掛けられてるような量からバケツに変わり、酷くなるとバスタブをひっくり返したような水を頭から浴びる
流石にこれには耐え切れなくなった俺は、席をベンチから通路のど真ん中に移動して、ライフジャケットをソファ代わりにして寝転がってやった
凄い邪魔だけど誰も文句を言わない。それは海水を浴びてびしょびしょになった俺が可哀想だと思ったからに他ならない
俺はこの世で一番とは言わないまでも、少なくともこの密航フライングカーペットの中で一番可哀想な乗員だったのは間違いない
昼になると犬の餌のような昼食が配られるが、この揺れでまともに食えるはずが無い
肉の塊が俺の手の上でまだ生きてるかのごとくぴょンぴょンと跳ね回る
船の揺れに合わせて口に放り込むのだ
こんな技術がついても何の役にも立たない。日本に帰ったらフライングカーペットに乗って、皿に乗ったピーナッツを箸でつまんで食べるパフォーマンスでもやってやろうかな
通路に移動してからは波を直に被る事は無くなったんだけど、揺れは相変わらず
酔ってる人が一人もいないのはある意味凄いかも
むしろロシア人たちはこの状況を楽しみ始め、一番揺れる船首に水着で寝転がって日向ぼっこを始める始末
それもすぐに大量の海水を被って慌てて船内に逃げ込んでくるんだけど
船の運転席をみると錆で今にも折れそうな操舵と、エンジンスタートキーしかない非常にシンプルな造り
間違いなく、この旅出て以来、一番危険な乗り物に違いない
フィリピン人の友達にも、自分が可愛ければ、ボートでの長距離移動は辞めておけと注意を受けていたのだ
こうして日記に書いているという事は、無事着いたという事だけど、もう二度とバンカーボーでの長距離移動は御免である
いけない密航者の彼
ちなみにコロンにはセブやマニラからも飛行機が出ているので、コロンだけが目的の人は飛行機を利用する事を強く勧めます
それでは良きラブライフを!!


