俺が出国までに受けるべき注射は一体何本あるんだろうか?


A型肝炎 B型肝炎 狂犬病 破傷風 日本脳炎 黄熱病 チフス? ポリオ とか・・・


大体注射一本平均で1万円前後


狂犬病やA型肝炎は期間を空けて三発くらい打たないといけないんだとか・・・


こんなの全部打ってたら金がいくらあってもたりない


それに前回も言ったが俺は注射が大嫌いなんだ というか 怖い


俺がまだ小学生低学年だった頃の話


俺は祖母に連れられ町の私立病院で受診した


診察室で医者に祖母が病状の説明をしている時から、目の前にあった血液検査用の茶色の台がきになって、そわそわしたり、医者の手元を注視したりしていたのを覚えてる


俺の勘は良く当る。医者がなにか長細いものを手にした瞬間、俺の瞳孔は開かれ、足の血管に一気に血が送られ俺の腰は半分くらい浮いた。しかし、よくみるとそれはボールペンだった


俺は自分の勘違いであったことを、心から普段信じてもいない神とサンタクロースに感謝をして、腰をゆっくりと下ろした


それでは採血しましょうかね? 


「採血?」その年ではまだ採血の意味がわからなかったが、あたりの只ならぬ不穏な空気を子供ながらに感じとり再び俺の腰は中に浮かび上がった


医者が後ろを振り向き、医療道具を入れているスチールケースを「ガシャガシャ」やり始めた。俺はこの音が大嫌いだった。この音がした後は、地獄の黙示録が開かれるからである。


医者はある細長いものを手に持ち、不適な笑みを浮かべながら、手に持ったその細長いものの先についたキャップをはずし、ついに核弾頭が姿を現したのだ


いやーーーーーー!!!!


と、俺は叫びながらきびすを返し、今度こそ腰を浮かせ、体中の血管という血管に急速に血を送り込んで逃走をはかった


診察室の入り口には、当時はまだ看護婦と呼ばれていた白衣の天使もとい白装束を纏ったサタンの手下達が両手を伸ばし、貞子のように俺に向かってきた。俺はその4本の手をかわし廊下に飛び出した


とにかく全力で走った。後ろからはサタンの手下たちの声が「誰かその子捕まえて~」と絶叫しながら看護婦(サタンの手下)たちが追っかけてきた


年の割には足の速かった俺は、どんどん加速して、サタンの手下どもとの差は広がっていった


前を横切る車椅子やストレッチャーをかわし、点滴の管をくぐり、障害物をアメリカ海兵隊の訓練のように乗り越え、俺は走った


気持ちいい 俺は自由だーーーー 映画「一期一会」のトムハンクスがギブスを装着したままダッシュをして、その勢いでギブスを吹っ飛ばして実は走れるんだとわかった時くらい俺は爽快な気分だった


しかし所詮は子供。逃げ疲れて病院の階段の裏で眠りこけているところをあえなく捕獲され、逃走から約3時間後に俺は診察室に戻されていた


今度は入り口に看護師二人が見張りに立ち、逃げ道は完全に絶たれた


それでも俺は、異端審問で「それでも地球は周っている」といって憚らなかったガリレオのように諦める様子を見せなかった


見かねた医者は本部に応援を頼み、なんと看護師が4人も診察室に入ってきた


そして、そのときは終にやってきた


それを見た俺は再び逃走をはかったが、今度は看護師一人に羽交い絞めにされ、強制的に採血台に左手を乗せさせられ、残りの看護師3人と祖母で俺の右腕が動かないように押さえつけた


サタンが注射器を持って俺に打とうとした時もいやいやをしたので、入り口の見張り二人も俺を押さえ込みに来た


さすがに7歳の子供が大人7人に押さえつけられたら身動きが取れず、俺のキメの細かい美しい美肌に、ついにサタンの毒牙が刺さったのだ


終始暴れていたせいで、注射の後は3センチ程度の大きな痣が出来ていた


俺は小さいころ病院で注射針を見せられるたびに、こんな逃走劇をくりかえし、学校で予防接種があれば風邪をひいて休んでいた。


さすがに今は走って逃げたりはしないが、当時と同じくらい怖いのだ


そんなわけで注射の数はなるべく減らしたい


いろいろ調べると、絶対に必要なのが「黄熱病」これは打たないと、入国できない国があったりするからだ


他にも、肝炎系と狂犬病は打っておきたいが、両方とも筋肉注射で痛いらしく、3回も打たないといけないのは考え物だ


背に腹は代えられぬというが、俺は背と腹を代えてでも注射はパスしたい


前に背中があって後ろに腹があるんだろ?注射を打つことに比べたらノープロブレムだ。むしろ背中が痒い時には手が届いてちょうどいいじゃないか。腹は滅多に痒くならないし


まぁ・・・結局のところ注射はしないって選択肢は背と腹が逆になったところで逃れることはできなそうだから、諦めて予防接種やってる病院を探してみた


意外とやっているとこをは少なく、電話をしてもどこも子供用の予防接種しかやっていなく、俺の町では肝炎や狂犬病を扱っている病院は皆無に等しかった


それで検疫所に電話したら簡単に病院を検索する方法を教えてくれた


http://www.forth.go.jp/moreinfo/index.html


厚生労働省検疫所のホームページ


予防接種実施機関の項目から入ると、予防接種の一覧が出てくるから、自分の受けたい予防接種にチェックを入れて、あとは場所を入力すれば簡単に検索できる


それでわかったことは、実施している病院は殆ど無く、俺の町では0件


都内でも数件しかないことがわかった


結局俺が選んだクリニックは都内の代官山にある


渋谷より家から近い八重洲や池袋にもあったんだけど、肝炎はあるけど狂犬病は売りきれだったり、その逆だったりで何箇所もいくは目になりそうだったので、遠くても全部揃ってるクリニックにした


それと少し調べたんだけど、海外で受けると値段が格安になるということがわかった


直近の国だとバンコク


ここにある赤十字?系の病院は旅人の間では有名で、料金も日本で受ける五分の一くらいで打てるらしい


さらにインドだと一発1000円・・・ここまで来ると本当かどうかわからないけど


だから受ける予防接種は、日本のクリニックで相談して、海外でも良さそうなものは海外で受けるって感じでいいかもしれない


で、実は先日予約を済まして、今日受信日だったんだけど、ビビッてキャンセル・・・・


キャンセルというか、一週間先にしてもらった


まだ、こころの準備ができてなかよ


結婚式前の花嫁のような心境なのよ いま