名作です。
本作はバブル崩壊後に作られており、それによって本作の舞台が遊園地となっております。しかし、それは歪な形をした遊園地です。
現実世界でも、バブル崩壊後の人々は先の見えない不安に取り憑かれていました。その不安を具現化したのが、本作の遊園地だといえるでしょう。
本作は虚無主義への抵抗がテーマだといえます。現にス・ノーマンというキャラクターは雪だるまの格好をしています。
冷めた感じで行動しているキャラクターが大勢います。それに対し、熱さで対抗するしんのすけ一味がいるのだと思います。
野原みさえは「踊りはテクニックじゃないわ。ハートよ。」と発言しています。ここでも熱さが強調されています。
そして、最後のチェイスシーンは名シーンです。ここで注目したいのが、みさえとひろしのセリフです。
追いかけっこをしている最中、みさえは夫の安否を心配するセリフしか発していません。そして、最後に敵を倒した際にひろしは「倒したぞー!」と発言するのではなく、「しんのすけ!」と息子の名前を発しています。
これは、クレヨンしんちゃん全編にいえることですが、野原一家の家族の絆がいかに固いものかを主張しています。
私も世帯を持ってみたいと思ってしまいました。