※ネタバレ注意
良作です。
心療内科医師の風戸京介が犯人です。外科医師の仁野によってはめられた風戸が復讐する形で、仁野を自殺に見せかけて殺害し、警察の目を騙せましたが、その後警察が本事件を再捜査することになり、警察関係者を殺して回るというのが真相です。
本事件から学ぶことはかなりあります。まず風戸京介が元々お人好しの人間である点です。近くにいる仁野がかなり性格が悪いのと、その仁野によってはめられたことにより、風戸も性格が悪くなってしまい、復讐鬼となってしまいます。
以下の写真はコナンと蘭に対峙する時の風戸先生です。
かなり顔つきが悪く、性格も悪そうです笑
風戸先生からすると、「自分は何も悪いことをしていない」と考えるでしょう。結局人間は自分の立場でしか物事を考えられないからです。
これは我々にも同じことがいえます。物事を客観視することによって、真実は明らかになるのではないかと私は思います。
みなさんも本作を見ている際、風戸先生が悪人に写ったでしょう。しかし、バックボーンを考慮すると、ただの悪人ではないことがわかります。
「やられたらやり返す」という言葉があります。その言葉を体現したのが風戸先生でしょう。
しかし、その言葉通りに物事にあたった結果、警察関係者も殺すことになっています。何がいいたいのかと申しますと、仁野によってはめられ、左手を怪我した時の風戸先生より、本作ラストの風戸先生の方がかなり立場が悪くなっているということです。
「やられたらやり返す」という復讐の行動が、いかに自分にも被害があるかよくわかる作品だと思います。
ここで夏目漱石の『こころ』という小説の一部分を紹介したいと思います。
「平生はみんな善人なんです、少なくともみんな普通の人間なんです。それが、いざという間際に、急に悪人に変るんだから恐ろしいのです。」
本作の風戸先生の通常時の顔が以下の写真です。
完全に善人の顔ですね笑
しかし、完全な善人だと損してばかりの人生になると思います。だから、基本善人ですが、悪人が現れた際はしっかり騙されないよう注意しながら、うまく関係を切るようするのが最善の方法かと思いました。
もし私が風戸先生の立場なら間違いなく仁野に復讐したいという思いが強くなりそうですが、そこはうまく感情をコントロールして、仁野とは最低限の付き合いにとどめ、仁野が破滅するのを待つでしょう。実際そうやって行動できるか微妙ですが。。。
みなさんも是非、怒りの感情が湧いてきたら風戸先生を思い出すと良いでしょう笑
物語の展開としては、ずっと記憶喪失だった毛利蘭がコナンの告白により記憶が蘇り、犯人を痛めつけるという王道の展開をとりました。綺麗な展開といえるでしょう。
告白の言葉の内容が、毛利小五郎と全く同じだったというギャグ要素も良かったと思います。
全体的に非常に均整の取れた作品だと思います。